【日本ダービー】単勝回収率100%超え!注目は「母母父にサンデーサイレンスを持つ馬」

鈴木ショータ

2020年日本ダービー、過去10年重賞で母母父にサンデーサイレンスの地を持つ馬の成績インフォグラフィックⒸSPAIA

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ダービーは内枠有利

いよいよ日本ダービーが行われる。このレースは、内枠が圧倒的に有利な傾向が出ている。

日本ダービーの枠別成績ⒸSPAIA



なぜ、こんなにも内枠が有利なのか。それは、2009年以降、このダービー週からCコース(前週までBコース)を使用するようになったのが大きな要因と考えられる。

そのため、データは2009年以降の過去11年としている。開催が進むごとに馬場の内側に傷みが出るが、傷んだ部分を全てカバーし、内側が再生するのがコース替わりの特徴だ。

つまり、内枠有利なのはダービーだけの話ではなく、ダービー週全ての芝レースにおいて言えることなのだ。その証拠に、同日に行われている「むらさき賞」でも、複勝回収率は1枠が161%、2枠が178%と高い数字になっている。

また、内枠有利と対称的に、7~8枠の成績が低迷しているのも、このデータの正確性を裏付けている。7~8枠で1~4人気だった馬は、アドミラブル1人3着、ドゥラメンテ1人1着、イスラボニータ1人2着、アンライバルド1人12着、ヴェロックス2人3着、リアルスティール2人4着、レッドリヴェール4人12着、グランデッツァ4人10着と、人気以上に走ったのはドゥラメンテ1頭のみ。

「当てる」ことより「儲ける」ことに重点を置くなら、7~8枠というだけで有力馬でも軽視するのが賢明だ。

根拠のあるデータは強い

このように、根拠のあるデータは信用した方がいい。逆に信頼できないデータというのは、根拠が見つけられないものだ。

例えば、サイコロを5回振って、5回連続で1の目が出たとする。そうすると、1が出る確率は100%!次も1に違いない!という発想になるのだろうか?何の細工もないサイコロであれば、どの目も出る確率は16%(1/6)でしかない。

サイコロの全体像を知っていれば、どの目も16%の確率で出るものだ、ということは直感的に理解できるだろう。ただ競馬の場合はそうもいかない。膨大なデータがあっても、それをどう読み解くかが勝敗の分かれ目になる。同じ材料を与えられても、素人とプロの料理人ではできあがる料理は変わってくるのと同じだ。

データを参考にする時は、なぜそのデータが成り立つのか、偶然の集積ではないか?という姿勢でいると、惑わされることなく、人よりちょっと競馬で勝てるようになるだろう。

競馬で勝つには、父を見るのでなく、母母父を見ろ!

ディープインパクト産駒が強い、というのは競馬をやっている人なら誰でも知っていることだろう。実際に日本ダービーでもディープインパクトは過去10年で5勝もしている。

日本ダービーのディープインパクト産駒ⒸSPAIA



ディープインパクト産駒が強いことは認めるが、ディープ産駒だけを買い続けて競馬で勝てるとは思わない。

ディープインパクト産駒は回収率も優秀になっているが、これは昨年、12番人気で勝ったロジャーバローズが引き上げているもの。それを除けば、単回値77%、複回値66%と、水準以下の数値になる。つまり、誰もが知っている、「父ディープインパクト」の馬を買うだけでは競馬では勝てない。競馬で勝つためには、周りの人と違う思考をしないといけない。

そこで私が実践しているのは父でも母父でもなく、「母母父」を用いるという予想法だ。競馬新聞にも載っているのは父と母父だけ。そこで盲点となっているのが、母母父だと考えた。そこで、かつて日本競馬を席捲していたサンデーサイレンスを母母父に持つ馬の重賞での成績を調べてみた。

母母父サンデーサイレンスの重賞成績ⒸSPAIA



ご覧のように、高い回収率をマークしているが、特に優秀なのが、ビッグレースが多く行われる東京競馬場。この中にはヴィクトリアマイルの覇者ノームコアや、大穴での激走が目立つデンコウアンジュ、そして先週オークスを勝ったデアリングタクトなども含まれる。

今年のダービーで唯一の該当馬となる母母父サンデーサイレンスのコルテジアは、大穴だが注目したい一頭だ。

ライタープロフィール
鈴木ショータ
競馬伝道師。競馬エイトトラックマンを経てフリーに。オリジナルのweb競馬新聞「PDF新聞」を毎週発行。根っからの大穴党で、馬券格言は「人の行く裏に道あり”穴”の山」

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