【オークス】阪神JF組が桜花賞で負けると意外な傾向が!京大競馬研究会の本命は?

京都大学競馬研究会

2020年オークス1番人気のデータインフォグラフィックⒸSPAIA

ⒸSPAIA

上位人気馬は安定感あり

5月24日(日)に東京競馬場で行われるオークス(GⅠ芝2400m)。先週はアーモンドアイが圧倒的な強さでヴィクトリアマイルを制したが、今週のオークスではどんな戦いが見られるだろうか。無敗の桜花賞馬デアリングタクトをはじめ、フローラSを制したウインマリリン、2戦目でスイートピーSを制したデゼルなど好メンバーが揃った一戦を紐解いていく。

まずは人気順成績を見ていく。

過去10年の人気馬の成績ⒸSPAIA



過去10年の上位人気馬について、1番人気は【5-2-1-2】で勝率50%、連対率70%と抜群の安定感を誇る。特にここ4年で1番人気は4連勝しており、下手に逆らうのは良くない。また2番人気は【1-2-4-3】、3番人気は【2-0-1-7】であり、基本的には人気馬中心に組み立てた方が良さそうだ。

ただ、人気薄が全く来ていないわけではなく、6番人気以下の馬も過去10年で2勝2着3回3着3回と、単純計算すると1年に1頭弱穴馬が来ているので注意は必要だ。

大敗馬の巻き返しは人気馬のみ

次に好走馬の前走着順を見ていく。

過去10年の人気馬の成績ⒸSPAIA



過去10年、馬券圏内に来た馬はのべ30頭いるが、そのうち25頭が前走3着以内だった。勝ち馬は桜花賞組か忘れな草賞組から出ているが(2010年は同着でフローラS組も来てはいる)、2着や3着にはフローラS組など主要なトライアルレースから臨んだ馬も来ている。1着馬は桜花賞組から選んだほうが良さそうだが、そこまでトライアル好走組を嫌う必要はないだろう。

しかし、前走で馬券内を外した馬の巻き返しは5頭とあまり多くない。その5頭のうちメイショウマンボを除く4頭はオークスで5番人気以内に支持されていた。また、この5頭のうちバウンスシャッセを除く4頭は前走で上位人気に押されていた(尚、バウンスシャッセの前走は牡馬相手の皐月賞)。前走4着以下に敗れた馬の狙い目は限られてくることに注意したい。

今年の勝ち馬は阪神JF不出走組から!?

過去20年のオークスの優勝馬を調べていると、興味深いデータを見つけた。

過去10年の人気馬の成績ⒸSPAIA



桜花賞を阪神JF不出走組が制した年は9年あったが、そのうち8回はオークスも阪神JF不出走組が制していた(例外は2007年のローブデコルテのみ)。

大したデータではないが、阪神JF組のレベルを測れる一つの指標が桜花賞だということだろうか。今年のデアリングタクトは阪神JF不出走。デアリングタクトにとっては追い風のデータだ。

本命は素直にデアリングタクト

以上のことから、基本的には能力の高い馬が順当な結果を出すレースであると言えるだろう。また、今年の桜花賞では阪神JF不出走組が1着3着になったことを考えると、やや阪神JF不出走組の方を重視したいところだ。

本命はデアリングタクト。桜花賞は前に行った2頭が残る中、後方から次元の違う脚で差し切った。このレースを見る限り、桜花賞組からの逆転はなかなか難しいだろう。今の高速馬場では後方からのレースになると届かないかもしれないが、今回はある程度前目で運ぶとみている。

というのも今までのレースで後ろから運んでいたのは、かかりやすいエピファネイア産駒のため。今まではオークスを見据えて我慢させることを覚えさせていたのではなかろうか。そう考えるとアーモンドアイのように5、6番手を進み直線であっさり抜け出す競馬をするはずだ。それほどスタートが遅い馬ではないので、早め先頭から押し切る横綱相撲を期待したい。

対抗はデゼル。スイートピーSではスローペースの前残りの中32秒台の強烈な末脚で差し切ったのは能力の高い証拠。デビュー戦で既走馬相手に間を割って勝ち切ったのも好内容で、素質はトップクラスだ。中2週で再び輸送なのは不安材料だが、使ってくるからには状態に問題はないだろう。絶好枠を引き陣営は前目での競馬を示唆しており、新たな一面にも期待だ。

3番手はスマイルカナ。快速逃げ馬で距離がもたないと思われていて人気がなさそうだが、桜花賞3着馬であり、逃げたときには3勝3着1回と馬券内を外していない。今の高速馬場ならすんなり先行してあわやの粘り込みが十分にある。エイシンヒカリをおじに持つ血統背景からも、ただのマイラーだとは思えないので人気がないならチャンスだ。

4番手にクラヴァシュドール。前走の桜花賞は道中下がってしまう不利があった。それでも最後までしっかり伸びており、力は示した。今回も上位人気が予想され、前走馬券外での好走データも満たしている。

ミヤマザクラは速い脚を使えなさそうで今の馬場はあまり合いそうにない。桜花賞はいかにも合いそうな馬場で5着(陣営は馬場を敗因に挙げられていたが、どちらかというとスムーズな競馬ができなかったことが敗因のように思える)。今回で着順を上げられるかは疑問が残るところだ。

ウインマリリンはしぶとさやレースセンスの良さを持っているものの、前走は強風に恵まれた部分もある。戦ってきた相手もややレベルが低く、少々力不足に感じられるので、点数を絞りたいここは消しとしたい。

買い目としてはデアリングタクト1着固定の3連単や馬単など、絞っていきたいところだ。(文:川崎)

<オークス予想印>
◎デアリングタクト
〇デゼル
▲スマイルカナ
△クラヴァシュドール
消ミヤマザクラ

おすすめ記事