【オークス】2400mでも期待大!デアリングタクトの二冠に待ったをかける馬は?

東大ホースメンクラブ

2020年オークスデータインフォグラフィックⒸSPAIA

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近年は先行馬有利

5月24日(日)に東京競馬場で行われるオークス(GⅠ・芝2400m)。クラシック2冠目を狙う牝馬18頭が府中のチャンピオンコースに集結した。重馬場の桜花賞を勝利して1冠目を手にしたデアリングタクトを中心に、スイートピーSを圧勝した良血馬デゼルなどが人気の中心と目されるなか、2冠目を手にするのは果たしてどの馬か。今週もデータを踏まえて検討していこう。

はじめに、当該レースにおける過去10年の傾向を分析する。

オークス・過去10年 1~3着馬の4角順位/平均タイムⒸSPAIA

かつては差し馬優勢のレースであったが2017年以降は比較的に前目につけた馬がキッチリ馬券になっており、傾向がここ数年で大きく変わっているようだ。2012年の三冠馬ジェンティルドンナの直線一気などの鮮烈な記憶とは裏腹に、位置取りの重要性が増していると言える。昨年も4角4番手から一時は先頭に立ったカレンブーケドールが人気薄で2着に入っただけに、先行勢には注意を払いたい。

ほとんどの馬が初めての2400m戦ということで、距離への対応はやはり気になるところ。データ的には2000m以上で勝利した経験がある馬が【4-4-3-27】で連対率21.1%を記録しているのに対して、これに該当しない馬は連対率8.6%にとどまっている。そういう意味では長めの距離を経験している馬には一定の評価を与えるべきだろう。

しかし、3歳戦ということで「適性よりも能力重視」という考え方もあり悩みどころではある。マイルより長い距離の経験がない馬は【5-2-2-36】という成績であるが、馬券圏内に入った馬はメイショウマンボ(9番人気1着)を除いてすべて4番人気以内に支持されていた。距離延長による人気薄の変わり身はまず期待できないが、実績馬なら過剰に距離を不安視する必要はないだろう。

内枠の人気勢は切れない

過去3年の東京芝2400m枠番別成績ⒸSPAIA

次に枠番別傾向を確認する。言うまでもなく東京芝2400mはダービーやJCなどが行われるチャンピオンコースだが、過去3年では内枠が圧倒的に有利となっている。特に1枠は複勝率30%超と安定感が際立つ。過去3年の当レースに限れば1枠は【1-2-2-1】と信頼度抜群であり、馬券的には迷わず押さえておきたいところだ。

先週のヴィクトリアマイルはアーモンドアイの圧勝劇に開いた口がふさがらなかった人が多かったことと思うが、レースの中身としては大外枠から4角3番手の位置を取ったサウンドキアラが2着、逃げた人気薄のトロワゼトワルが4着に粘るなど先行馬有利の傾向が顕著だった。今週は渋った天気の日が多かったため馬場傾向の変化には注意を払うべきだが、引き続き内目が有利とみて馬券を組み立てたい。

山紫水明・初のGⅠタイトルへ

本命にはクラヴァシュドールを推す。前走4着が初の馬券圏外という堅実派であり、その桜花賞でも全馬脚が上がっているなかで後方からよく伸びてきた印象。2400m戦は初めてだが、ハーツクライ産駒かつ府中の経験があるという点を踏まえれば比較的に信頼は置けると思われる。何よりハイレベルなメンバーと戦ってきて崩れたことがないのは地力の証明だろう。2冠阻止を期待できる存在だ。

対抗にデアリングタクト。エピファネイア産駒はこの世代が初年度だが、2000m以上のレースで複勝率40%・複回収率113%と比較的に長い距離で良さを発揮している。これまでの競馬を見ても距離延長で大きくパフォーマンスを下げるとは考えにくく、これより低い評価はできない。不安要素を挙げるなら初の関東圏への輸送・左回りくらいだが、評価を大きく下げるまでもないだろう。

3番手にはホウオウピースフルを推す。フローラSは直線半ばまで前が壁になってしまいクビ差の2着に敗れたが、4角でほぼ同じ位置にいた勝ち馬が内目をロスなく立ち回っていたことを思えば内容面で高く評価できる一頭だ。

4番手評価がデゼル。スイートピーSは上がり32.5の末脚で楽に突き抜けて勝利。能力は確かに非凡なものがあるが、一線級を相手に直線一気が通用するかと言えば一抹の不安はある。過信は禁物だが、内枠を引いただけに軽視しすぎるのも避けたいところだ。

以下、相手には距離が伸びて良さそうなミヤマザクラとフローラS勝ち馬のウインマリリンを押さえておきたい。抽選を突破したリリーピュアハートもコース経験があるだけに侮れない一頭だ。

▽オークス予想▽
◎クラヴァシュドール
○デアリングタクト
▲ホウオウピースフル
△デゼル
×ミヤマザクラ
×ウインマリリン
☆リリーピュアハート

▽三連単推奨買い目▽
◎○—▲△××☆(2頭軸マルチ・30点)

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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