武豊・ルメール騎手の名前は無し!リーディング上位厩舎のごひいき騎手は?【関西編】

三木俊幸

2020年トップ3調教師の騎手依頼成績

ⒸSPAIA

吉田隼騎手がローカル競馬で活躍

リーディング上位を争う厩舎ともなれば、良血馬を多数抱えており、必然的に管理馬の質も高くなる。そんな有力厩舎はどの騎手に多く騎乗依頼をしているのか、また2019年と2020年ではその傾向に違いが見られるのか、4月26日終了時点の調教師リーディングトップ3の厩舎のごひいき騎手について調べてみた。今回は関西編を見てみよう。

まずは20勝でリーディング首位に立っている友道康夫厩舎。 2019年は岩田康騎手、藤岡康騎手、福永騎手という順位となっていたが、2020年は藤岡康騎手が13回でトップ、2位は10回の福永騎手、3位は9回で吉田隼騎手という順位となっている。

注目したいのは吉田隼騎手。2019年は友道厩舎からの騎乗依頼が1回しかなかったが、2020年はローカル開催を中心に依頼が増えている。関東所属にも関わらず、なぜ関西の厩舎からこれだけの騎乗依頼を集めているのか、その秘密はエージェントにあった。

吉田隼騎手を担当しているのは甲斐弘治氏。関西を拠点にしており、同じくローカル開催で活躍している西村淳騎手も担当していることからも、ローカル開催に特化した馬集めが得意なエージェントのサポートを受けていることが大きく影響しているのではないかと考えられる。

9回の騎乗依頼のうち、3回は社台レースホースの所有馬、そして9回全てがノーザンファームまたは社台ファームの生産馬で馬質が高いという見方もできるが、3勝という成績は武豊騎手の4勝に次いで多い数字。加えて連対率55.6%、複勝率66.7%、単勝回収率152%、複勝回収率112%としっかりと成績を残しているので、今後も「友道厩舎×吉田隼騎手」のコンビには注目する必要がありそうだ。

弟子への絶対的な信頼

関西の調教師リーディング2位は18勝を挙げている矢作芳人厩舎。今年に入ってからすでにフェブラリーSと皐月賞でGⅠ2勝を含む重賞4勝を挙げている。

そんな矢作厩舎の騎乗依頼騎手を見ると、2019年と2020年ともに1位坂井騎手、2位中谷騎手という順位となっている。坂井騎手は矢作厩舎に所属しているということもあるが、2020年は4か月を終了した時点で64回と2019年の165回を上回る勢いで騎乗数を伸ばしている。時には厳しいコメントもする矢作調教師ではあるが、弟子への信頼はますます厚くなっている。

しかし勝利数を見てみると、騎乗依頼が3回しかないルメールが2勝、2着1回で2位にランクイン。勝率66.7%、単勝回収率は423%と驚異的な成績を残しており、大事なところではルメール騎手に依頼しているというデータが見られた。

ここでも甲斐氏の影響力が

関西3位は清水久詞厩舎。2019年は関西調教師リーディング16位の32勝だったが、2020年は15勝と好成績を残している。

2019年は19回の松若騎手に最も多くの騎乗依頼をしていたが、川田騎手と福永騎手にもそれぞれ17回ずつ騎乗依頼をしていた。しかし2020年は3位の福永騎手は同じだったが、上位2名の顔触れに大きな変化があった。ここまで最も多く騎乗依頼をしているのは若手の西村淳騎手の17回、次いで藤井騎手10回で続く。

吉田隼騎手のところでも触れたが、西村淳騎手のエージェントも甲斐氏。西村淳騎手もローカル開催を中心に活躍しており、トータルで見ても騎乗回数291回は若手騎手の中で最多の数字。ここでもエージェントの手腕が発揮されていると感じる。

ただし、騎乗回数が最も多いが西村騎手の成績は【1,0,2,14】、勝率5.9%、連対率5.9%、複勝率17.6%とイマイチ。トップは【2,1,1,3】の福永騎手だった。福永騎手=人気馬というイメージも強いが、清水久厩舎の馬で1番人気だったのは1回のみで、勝利したのは2番人気と4番人気の馬だった。単勝回収率134%と意外に好成績だったので、馬券的には「清水久厩舎×福永騎手」は買いだと言っていいだろう。

このように厩舎側から見た騎乗依頼回数では、騎手リーディングトップの川田騎手、2位のルメール騎手、3位の武豊騎手らの名前は見当たらなかったのは意外だった。

2020年トップ3調教師の騎手依頼成績

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