【フローラS】休み明けの良血馬を狙い撃つ!東大HCの本命は穴馬エレヴァテッツァ

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波乱含みの一戦
4月26日(日)に東京競馬場で行われるフローラS(GⅡ・芝2000m)。上位2頭にオークスへの優先出走権が与えられるこのレースに17 頭が顔をそろえた。
京成杯で牡馬相手に好走したスカイグルーヴやフラワーC2着のレッドルレーヴ、良血馬ホウオウピースフルが人気の中心と目されるなか、オークスへの切符を掴むのは果たしてどの馬か。また、人気薄の台頭はあるのか。今週もデータを踏まえて検討しよう。
はじめに、当該レースにおける過去10年の傾向を分析する。

過去10年で前半5Fが60秒を切ったのは16年の1回のみ。スタートしてすぐにコーナーがあるコース形態のため最初の3Fはそれなりに速くなるのだが、向正面ではすぐペースが落ち着く傾向にある。全体的には前目につけた馬に展開利があると言えそうだ。
その一方で、過去10年で上がり最速馬が7勝を挙げており、特に近4年の勝ち馬は4角8番手以下から上がり最速の脚を繰り出して優勝している。直線の長い舞台ということもあり、完全な前残り決着は期待しにくいのが実際だろう。そういった意味で、出走馬を検討するうえで脚質に過度にこだわる必要はなさそうだ。
過去10年で9番人気以下が10回も馬券になっており、波乱傾向が非常に強いのもこのレースの大きな特徴。重賞での好走馬に人気が集中しやすく、昇級戦となる馬が軽視されがちな傾向があるようだ。実際に穴をあけた上記10頭のうち8頭は未勝利・1勝クラスからの参戦であり、高配当獲得のためにはこれらの馬の処遇がカギと言える。
ただし、該当馬のうち前走の距離がマイル以下だった馬は【0-0-0-23】と散々であり、出走馬全体でも【1-1-2-42】と低調。比較的に長い距離を使ってきた馬が中心と考えたい。
脚質よりも“内枠”を重視

次に枠順別の成績をチェック。先述したとおりスタートしてすぐコーナーを迎える特殊なコース形態の影響で外枠の距離ロスが著しく、内枠有利の傾向が顕著である。
特に最内1枠は複勝率37.0%と他を10ポイント近く引き離す無双ぶりを見せており、これを引き当てた馬は大幅に評価を上げるべきだろう。Dコース使用の1回開催の間に保護されていた馬場の内側が本開催で開放されることも踏まえれば、内枠有利の傾向はますます強まると見られる。
本レースに限っても、過去10年で5~8枠の連対率が7.0%のところを1~4枠は16.7%という数値をたたき出している。これら内枠の好走馬は先行から差し・追い込みまでバリエーションに富んでおり、脚質の如何によらず「内枠狙い」を心掛けたいところだ。
さて、今回のメンバーから展開を探るならば、やはり鍵を握るのは人気のスカイグルーヴだろう。ハナを主張する可能性もなくはないが、前走で2番手に控える競馬をしていることを踏まえればシャンドフルールやショウナンハレルヤあたりを行かせて好位から、というのが濃厚だろう。例年どおりにゆったりとしたペースからの末脚勝負になると判断したい。
本命は良血エレヴァテッツァ
今年も例年の傾向どおりに重賞で好走したスカイグルーヴ、レッドルレーヴあたりに人気が集中すると見られる。いずれも強い競馬をしておりある意味当然であるが、格付けが済んでいない馬が多いのもまた事実。ここは波乱傾向の強さを鑑みて、昇級戦となる馬から高配当を狙いたい。
本命はエレヴァテッツァとする。前走の未勝利戦では好位の外目から抜け出して勝利。勝ち時計自体は強調できるものではないが、手前を変えてからの伸びは出色だった。右手前の走りが良い馬で左回りに替わるのは好材料とする陣営のコメントもあり、初の東京コースへの適性もあると考えたい。
きょうだいにフラガラッハ、エスティタートらがいる良血のディープ産駒であり、血統的には人気馬にも劣らない素質を感じさせる。実績で見劣るうえに久々の実戦ということで人気にはならないだろうし、何より1枠に入ったのが大きい。このレースでこそ狙いたい一頭だ。
対抗には人気のスカイグルーヴ。前走の京成杯は大外から先行して2着という負けて強しの内容であったし、2番手に控える競馬が経験できたのも収穫だった。高速馬場の東京芝2000mは新馬勝ちの際と全く同じ条件であり、ここでも堅実に走ってきそうだ。
3番手評価はレッドルレーヴ。ハイペースとなった前走のフラワーCでは外枠から終始馬群の外目を追走する競馬で2着。並みの馬なら直線で垂れてしまっても不思議でないところを最後まで伸びてきたのには驚かされた。当然ここでも軽視はできない。
4番手にホウオウピースフルを推す。前走クイーンCで6着という結果に終わったが、明らかに距離が短かったという印象。今回と同じ舞台で行われた百日草特別では上がり最速の脚で完勝しており、2000mに替わって見直したい一頭だ。
以下、好枠を引き当てたウインマリリン、シャンドフルールに加えて、2走前で今回と同じく8枠から先行して穴をあけたショウナンハレルヤまで押さえておく。ヒューイットソン騎手騎乗のフアナについては新馬戦で0秒1差に迫ったアドマイヤビルゴが若葉Sを勝利したことで評価が上がりそうな一頭だが、8枠を引いてしまったことを踏まえてここは静観しておきたい。
▽フローラS予想▽
◎エレヴァッテッツァ
○スカイグルーヴ
▲レッドルレーヴ
△ホウオウポースフル
×ウインマリリン
×シャンドフルール
×ショウナンハレルヤ
《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
