【フローラS】過去10年「良馬場では差し馬が5勝」　スカイグルーヴはデータを覆せるほどの馬場適性があるのか

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近3年の勝ち馬は33秒台の上がり

4週続いた春のGⅠ開催はひと休み。しかし、今週から開幕する東京競馬場ではオークスに向けたトライアル、フローラS（GⅡ・芝2000m）が行われる。過去10年のデータからどのような馬が好走しているのか、馬場適性の観点から分析、予想していく。

まずは、レースタイムと上がり3Fのタイムについて詳しく見ていこう。

今週末の天気予報を見ると、良馬場でのレースとなりそうなので、過去10年のうち良馬場で行われた8回のデータを中心に振り返る。1分59秒台が3回、2分00秒台が2回と開幕週らしく高速決着が多くなっている。

上がりタイムは近3年の勝ち馬はいずれも33秒台、昨年の勝ち馬ウィクトーリアは33.2という速い上がりを使っており、瞬発力のある馬が結果を残している。しかし2着、3着に入っている馬の上がりを見てみると、34秒前半を使っている馬が多く、35秒台の上がりになっている馬もいることから持続力タイプの馬でも好走できるレースであることが伺える。

それを表しているのが、通過順位。良馬場時の勝ち馬は7頭中5頭が4角7番手以下となっており、先行馬が勝利したのは2010年のサンテミリオンと2015年のシングウィズジョイの2頭のみ。対して2着と3着は、対象の14頭中10頭が4角4番手以内を追走していた。

ちなみに2010年は先行馬のサンテミリオン、2015年も先行馬のディアマイダーリンが1番人気で堅い決着だった。今年は先行馬のスカイグルーヴが1番人気になりそうだが、果たしてどのようなレースとなるのだろうか。

馬場適性からはスカイグルーヴに不安なし

ここからは、縦軸はスピード型かパワー型かを示す指標、横軸は瞬発力勝負と持続力勝負のどちらに強いかを表した指標を表している馬場適性分布図をもとに、注目の出走馬の適性について詳しくみていこう。

【スカイグルーヴ】
前走の京成杯では早めに先頭に立ち、そのまま押し切るかと思ったところをクリスタルブラックに差されたがその能力の高さを見せつけた。しかし、評価したいのは今回と同じ東京2000mの新馬戦。楽にハナを切り、直線では全く追われることなく2:01.4というタイムで快勝。上がり3ハロンは34.1だったが、11.8-11.2-11.1と加速し続けた内容からも、追われていればどこまで加速したのだろうか……。

スピードが生かせる東京コースに戻るのは間違いなくプラスだ。データから先行馬は2着までという傾向があるが、能力は抜けていると見て、素直に本命とする。

【レッドルレーヴ】
新馬戦では重馬場ながら、2:01.8というタイムで2着。加えて、このレースの勝ち馬フィリオアレグロは共同通信杯3着、6着サトノフラッグは弥生賞を勝利するなどメンバーレベルは高かった。

しかし、東京の高速馬場で上がり33秒台の末脚が必要とされるレースよりは、中山コースにより適性があると感じるので、前走より人気になる今回は無印とする。

【ホウオウピースフル】
前走のクイーンCはマイルが忙しかった印象で、距離は2000mくらいあったほうが良さそう。2走前の百日草特別では上がり33.6を使っているが、5頭立てのスローペースだったので、高速決着にどこまで対応できるかという不安はある。

【ヴォリアーモ】
未勝利戦の勝ち方は強かったが、大跳びでエンジンの掛かりが遅いタイプなので、直線に向いた時に前を射程圏に入れられるポジションにつけられるかがカギとなるだろう。トップスピードに乗ってからの瞬発力の高さはここでも十分通用する。

【ショウナンハレルヤ】
前走のフラワーCでは、直線で何度もぶつけられるという不利があった。2走前のセントポーリア賞では2番手からすんなり抜け出して快勝しているように、東京コースへの適性も高い。先行力を生かして2着、3着に粘り込む可能性は十分ありえるので、人気が下がっているようなら面白い存在だ。

【ウインマリリン】
全3走はいずれも中山コースで、2戦は稍重。東京コースへの適性は未知数だが、レースセンスと2000mへの適性の高さを感じる。ロスなく乗ることが必須だが、横山武騎手とも手が合っていそうなので、是非とも押さえておきたい。

【フローラS予想】
◎スカイグルーヴ
○ヴォリアーモ
▲ショウナンハレルヤ
△ホウオウピースフル
×ウインマリリン