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【青葉賞】ディープインパクト産駒は勝ち切れない?当日まで覚えておきたいデータ

2020/04/26 19:00
勝木淳
2020年青葉賞インフォグラフィックⒸSPAIA

ⒸSPAIA

19年を除き、後傾ラップの高速決着

ダービートライアル青葉賞。舞台は東京競馬場芝2400m、ダービーと同条件のトライアルレースの王道ながらダービー馬を輩出できないというジレンマを抱えるレースだ。

皐月賞の衝撃から1週間、ダービー出走権争いのなかからコントレイル以下トップランクに肩を並べる馬が出てくるだろうか。注目したい。

青葉賞過去10年勝ち馬成績ⒸSPAIA

注目すべきは勝ち時計だ。良馬場であれば2016年から2分24秒台以下の高速決着が連発。稍重だった昨年ですら勝ち時計は2分25秒0と速い。

その19年青葉賞こそリオンリオンンが逃げ切ったことで前半1000mより後半1000mが遅かったが、それ以外は例外なく後半が速い後傾ラップ。後半1000mが58秒台という年も多く、いかに前半はリラックスして脚を溜め、最後に速い脚を使えるかが重要となる。

皐月賞以前とははっきり異なる傾向

ではその傾向を具体的に調べていく。

前走クラス別成績(過去10年)ⒸSPAIA


前走GⅡ組【3-2-0-20】、1勝クラス【6-7-8-65】が大半を占める。トライアルから皐月賞を使わずに、もしくは使えずに青葉賞に出走する馬には評価が必要で、今年の想定には弥生賞3着オーソリティがいるが、人気でも逆らわないのが無難か。

しかし共同通信杯3着のフィリオアレグロはGⅢ組【0-1-1-18】と気になるデータ。1勝クラスが10年で6勝、2着7回、3着8回なので、重賞出走→皐月賞未出走という過程の馬より、いわば遅れてきた上がり馬タイプが強いレースであることは忘れないでおきたい。

前走でいえば大寒桜賞組が近年は注目される。過去10年【1-3-2-3】と高確率で好走しており、想定に名前があるメイショウボサツ(大寒桜賞1着)は外せない。だが、今年の大寒桜賞は重馬場で2分17秒5と、芝2200m戦としてはかなり遅い時計だった点は留意したいところだ。

前走距離別成績(過去10年)ⒸSPAIA


大寒桜賞に触れたが、芝2400m戦らしく距離が長いレースを使った馬が優位である。皐月賞までの主要路線2000m組は【3-2-0-30】とちょっと微妙。これはオーソリティにはイヤなデータだ。大寒桜賞と同じ2200m【3-6-4-27】と勝率に2000mと差はないが、連対率と複勝率に差があり、馬券の軸はこちらだろうか。

注目は前走が2400mだった馬【3-1-4-21】全体の頭数を考えると、勝率はこちらが上だ。2400m戦の1勝クラスというと阪神のアザレア賞。前走アザレア賞組は【3-0-1-4】とさらに確率アップだ。今年も勝ち馬フライライクバードの出走が予定されている。

主要種牡馬別成績(過去10年)ⒸSPAIA

最後に種牡馬別成績を確認。ディープインパクト【3-2-5-20】は想定内だろう。だが、3着がもっとも多いのは、勝ち切るイメージが強いディープインパクトだけに気になる。

同じサンデー系でもダービーにも強いハーツクライ【2-0-1-8】、スタミナ型サンデーの代表ゼンノロブロイ【1-2-2-4】と切れ味では劣るが、持久力勝負ならというタイプが台頭。

ゼンノロブロイの2017年産は、JRAでは4/18中山ライクアジュエリーが産駒初勝利という状況なので厳しい。ハーツクライはダノンセレスタ、シンボリクリスエス【1-0-0-5】の系統であるエピファネイア産駒ロールオブサンダーが出走予定。

皐月賞までとは異なり、スタミナを意識した配合の馬に注目するという作戦もある。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。中山競馬場のパドックに出没。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』にて記事を執筆。

2020年青葉賞インフォグラフィック