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【アーリントンC】勝ち馬は「直後でなくその後」に大活躍!タイセイビジョンはNHKマイルCでも好走なるか?

2020/04/20 12:27
勝木淳
アーリントンCインフォグラフィック

ⒸSPAIA

勝ち馬は活躍馬がズラリ

NHKマイルCのトライアルとして阪神連続開催最終週に移行して3年目。過去2年はいずれも良馬場で18年1分33秒4、19年1分34秒2。18年3着レッドヴェイロン、19年2着カテドラルが本番3着。トライアルとしての体面は辛うじて保つ程度ではある。しかし、アーリントンCで忘れてならないのは直後のレースではなく、その後である。

18年タワーオブロンドン、17年ペルシアンナイト、16年レインボーライン、14年ミッキーアイル、13年コパノリチャード、12年ジャスタウェイ、勝ち馬はその後GⅠタイトルを手にした馬が並ぶ。忘れてはいけないレースである。

攻める姿勢と待つ戦略

レースはノルカソルカが先手を奪い、外枠のプリンスリターンとロードベイリーフが直後に行き、後ろを引き離したいノルカソルカの幸騎手は道中手綱を促しっぱなし、2ハロン目から10秒8-10秒9と緩まず進み、前半800m45秒7のハイペース。シンザン記念で重賞制覇を逃したプリンスリターンと原田和真騎手が4角で強気に先頭に立ち、その外から今年好調の岩田望来騎手が乗るギルデッドミラーがプリンスリターンを捕らえに行く。

こうした勝ちに行く姿勢は勝つために絶対不可欠ながら、若手騎手のハイペースの早仕掛けをあざ笑うように後方に控えていたタイセイビジョンと石橋脩騎手が外に攻防が移ることを読んでいたかのようにラチ沿いを突いて一気に距離を詰め、勝負を決めた。

正攻法で勝ちに行った若手、この春手綱が冴えているキャリア豊富な騎手、結果はくっきりだった。しかしながら若手ふたりを責めるつもりは一切ない。勝ち馬はタイトルホルダーでGⅠ2着の実績馬、力の差があったのは事実であり、なにより自ら勝利へ遮二無二に向かう姿は勇気をもらう。この経験は必ず生きるわけで、できればこのまま継続して乗せてほしいと願う。

戦略勝ちとなったタイセイビジョンと石橋脩騎手はかつて積極的に乗ることでビートブラックで春の盾を手中に収めた。この負けを変にとらえ消極的にならないでほしい。 勝ったタイセイビジョンは朝日杯FS2着以来の競馬で重賞2勝目、消耗を極力避けるというトレンドそのままの臨戦過程で、NHKマイルCもいい状態で迎えられそうだ。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて「 築地と競馬と」でグランプリ受賞。中山競馬場のパドックに出没。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌「優駿」にて記事を執筆。

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