【皐月賞】近2走が重要!過去10年の皐月賞馬のローテーションから見えたものは?

高橋楓

過去10年の皐月賞馬のローテーションインフォグラフィックⒸSPAIA

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前走共同通信杯とスプリングSの連対馬が好成績

 過去10年 前走レース別成績ⒸSPAIA

今週末に行われるのは皐月賞である。昔は前哨戦の弥生賞とスプリングS組が有利だったが、共同通信杯組が好調な時代があったり、昨年はぶっつけ本番で挑んだ馬が勝ったりと、常に変化しているように感じる。ただ、過去10年の勝ち馬のローテーションを見ると、注目は2走前にあるようだ。詳しく見ていく。

まず前走の成績を見てみると、1800mのレースをステップとしている馬が好調で、共同通信杯組4頭、スプリングS組3頭もいる。

勝ち馬10頭に共通している事は前走で共同通信杯、スプリングSの場合は連対している事、それ以外は1着で皐月賞に挑戦している事だ。

共同通信杯連対馬は[4-0-1-5]、スプリングS連対馬は[3-1-2-12]、弥生賞1着馬[1-3-0-5]、毎日杯1着馬[1-0-0-2]、ホープフルS1着馬[1-0-0-1]となっている。

共同通信杯組は前走の上がりタイムにも注目

過去10年 共同通信杯連対馬の上がり3ハロンⒸSPAIA

前走共同通信杯連対組の好走が目立つが、上がり3ハロンタイムに注目するとより傾向が顕著になる。

上がり順位が1位の場合[2-0-1-1]、2位の場合[2-0-0-2]、3位以下の場合[0-0-0-2]となる。このレースをステップにした場合に注目すべきデータだ。今年は1位のダーリントンホールと2位のビターエンダーが駒を進めてきている。

前々走の成績にも要注目

過去20年 前々走成績ⒸSPAIA

過去10年だけでなく、2000年に入ってからの過去20年のデータまで巻き戻してみても共通している面白いデータが出てきた。それは「前々走の成績」だ。皐月賞馬のべ20頭のうち18頭が前々走で馬券に絡んでいるのである。

2走前にGⅠ朝日杯FSを走った馬は、キャプテントゥーレの3着とロゴタイプの1着。GⅢだった馬は1着が4頭、2着が3頭、3着が1頭、着外が1頭となっている。着外に負けたのはシンザン記念6着のアルアインだけだ。オープン以下の場合は9頭中8頭が1着となっていて、唯一の例外はダートの1勝クラス(当時は500万下)で4着だったダイワメジャーだけ。

なおディーマジェスティはホープフルS取り消しの為、3走前の未勝利戦1着をカウントしている。やはり3歳春のクラシックという事もあり成長が早く、好走が続いている馬が有利という事なのだろう。出馬表を見た時には前々走の欄まで気を付けて見てみたい。

デビュー戦の時期と距離について

デビュー戦の距離 (芝)ⒸSPAIA

近年の皐月賞は高速決着で決まる事が非常に多く、この点が前走1800m重賞組の活躍にもつながっているのだろう。

デビュー戦の時期や距離を振り返ると全馬が「10月までにデビュー」を果たし、かつ「1800m以下のレースでデビュー」している。2000m以上のレースでデビューした馬、そして11月以降にデビューした馬を振り返ると2007年のヴィクトリーまでさかのぼらないと出てこない。

2000mデビューのスプリングS優勝馬のガロアクリーク、弥生賞優勝馬のサトノフラッグにとっては好ましくないデータである。

出走予定馬で上記の条件を満たしているのは、コントレイルとヴェルトライゼンデとなっている。ホープフルSの1、2着馬が皐月賞でも上位をにぎやかすのか?はたまた、桜花賞の様に過去のデータに風穴をあける新星が現れるのか、楽しみに当日を待ちたい。

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレースの記事を中心に執筆している。

過去10年の皐月賞馬のローテーションインフォグラフィック

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