【桜花賞】阪神JFの順位でこんなにも変わる!京大競馬研究会の予想は?

京都大学競馬研究会

桜花賞出走馬の阪神JFでの順位別成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

クラシック初戦桜花賞には素質馬が多数集結

4月12日(日)に阪神競馬場で行われる桜花賞(GⅠ・芝1600m)。先日緊急事態宣言が7都県に発出され競馬開催が危ぶまれたところであるが、無事開催されるということでいち競馬ファンにとしてはほっとしている。これ以上コロナウイルス感染症を広げないためにも、週末は自宅にいてゆっくり競馬を見ていたいと思う。

さて、今年もクラシック初戦桜花賞に素質馬が多数集結した。2歳女王レシステンシア、チューリップ賞勝ち馬マルターズディオサ、シンザン記念勝ち馬サンクテュエールなど混戦で上位拮抗の様相を呈しているが、激戦を制するのはどの馬か。過去5年のデータも参考に予想していく。

前走3着以内が前提条件

まずは前走着順別成績を見ていく。

過去5年の前走着順別成績ⒸSPAIA

1着馬【1-2-2-22】、2着馬【2-1-1-17】、3着馬【2-1-1-7】、4着以下は【0-1-1-26】と3着以内馬が大半を占めている。しかし、3着以内であればさほど着順にとらわれる必要はなく、ひとまずはこれを前提に予想すべきである。

なお、前走4着以下から巻き返したのは過去5年では2015年の2、3着馬のみ。この年は歴史的スローペースあった上に阪神JFの勝ち馬が出走していなかった。レアケースとして捉えておくのが妥当だ。

阪神JF出走組は好走が必須

桜花賞は前年の阪神JF組がキーになってくる。まず、過去5年で少なくとも1頭は阪神JF組が馬券に絡んでいる(2017年は上位独占)。これに別路線(主に年明けの重賞戦線)から浮上してきた馬が勝てるかどうかというのが近年の傾向だ。

過去5年のJF組成績ⒸSPAIA

そこでJF組を詰めておきたい。基本的に着外だった馬は厳しく、過去5年で【0-0-1-16】。ここから巻き返して勝ったのは近年では2013年のアユサンくらい。この年は阪神JF勝ちのローブティサージュがチューリップ賞で惨敗しており、危うさがあった。

逆に、阪神JF3着以内馬は【2-2-3-6】で安定感がある。着外6頭のうち2頭はトライアルで惨敗しているため阪神JFで好走し、かつトライアルでも好走した馬を素直に評価すべきだろう。

阪神JF組はペースが締まると強い

最後に桜花賞の前後半のラップについて調べてみた。すると、阪神JF出走組が複数好走した年は全て前半4Fが46秒台以下だった。逆にペースが緩むと別路線組が台頭する。

過去10年の前後半ラップⒸSPAIA

このデータは過去5年のみならず、10年に広げても例外は2011年のみ(2011年はJF勝ち馬が桜花賞出走だった)。阪神JFが多頭数で地力勝負になりやすいのに対し、年明けの重賞はスローの瞬発力勝負になりやすいことが影響しているだろう(2015年のような超スローになるとまた違うが)。

今年はレシステンシアが締まったペースで引っ張ることが想定されるため、阪神JF組が有力とみる。

本命はレシステンシア

以上を踏まえて、本命はレシステンシア。前走はチューリップ賞3着であったが、ため逃げを打っても駄目であることが分かったのが大きな収穫で、阪神JFのようなレースをしてくるはず。

今回のメンバーを見ても何が何でも逃げたい馬は見当たらず、テンが速いレシステンシアはすんなり自分のペースで逃げられる。それに、万一ペースが速すぎて逃げられなくても、ファンタジーSのように番手でも競馬ができて問題ない。よって死角が1番少なく勝てそうな条件が揃ったこの馬を本命とする。

対抗以下は

対抗はマルターズディオサ。この馬も十分強く、前走は外を回りながら早めに先頭に立って押し切った。内をロスなく回ったクラヴァシュドールとは着差以上の差がある。前走の遅いペースでは行きたがる面を見せていたので、ペースが上がるのは歓迎だ。

3番手評価はデアリングタクト。別路線組の中ではこの馬のパフォーマンスが際立っている。前走のエルフィンSは外からあっという間に突き抜けた。負かしたエーポスがフィリーズレビューを勝ったことで、レースレベルも低くないことが分かる。近年、エルフィンS勝ちからの直行組は結果が出ていないが、一発あるならこの馬だ。

以下、前走ハイペースの逃げ馬がいた中、うまく立ち回って勝ったミヤマザクラ、阪神JF3着のクラヴァシュドール、末脚鋭くハイペースなら台頭してきそうなマジックキャッスルまで印を回したい。

人気が予想されるリアアメリアだが、阪神JFで完敗。ハイペースが合っていないのかもしれず、今回は見送り。そもそもアルテミスSが相手に恵まれていたようにも思える。

同様にサンクテュエールも見送りたい。勝負根性は魅力で、前走牡馬相手のシンザン記念を勝ち切ったのは好材料だが、負かしたプリンスリターンやコルテジアが牡馬の一線級かと言えば疑問符が付く。コルテジアがきさらぎ賞を勝ったとはいえ、そのメンバーレベルも微妙だった。ハイペースも経験しておらず、人気ほどの信用は置けないとみた。(文:川崎)

買い目は◎の単勝と馬連◎―〇▲、3連複1頭軸◎から印をつけた馬に流したい。

2020桜花賞予想
◎レシステンシア
〇マルターズディオサ
▲デアリングタクト
△ミヤマザクラ
×クラヴァシュドール
×マジックキャッスル

《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会
今年で25周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えを目指す本格派が揃う。

おすすめ記事