【東京S】菜七子騎乗のコパノキッキングは5着 坂井騎手が父のかつての主戦場でジャスティンを重賞初勝利へ導く

三木俊幸

東京スプリント位置取りインフォグラフィック

ⒸSPAIA

楽にハナを切ったジャスティン

大井競馬は今週からトゥインクルレースが開幕。8日(水)には交流重賞の東京スプリント(GⅢ・ダート1200m)が行われた。単勝1.5倍と断然の人気に推されていたのは、落馬負傷で復帰してから初勝利を目指す藤田菜七子騎手騎乗のコパノキッキングだった。

東京スプリント位置取りインフォグラフィック

スタートで若干躓き加減も、楽な感じで内からスッと先頭に立ったのはジャスティン。

コパノキッキングは2番手の外で折り合ってレースを進める。前半600mを34.7で通過し、隊列に動きはなし。そのまま直線コースでの攻防となった。

内では依然として脚色が衰えないジャスティンが粘り込みを図る。ここからコパノキッキングが追い込んでくるかと思いきや、手応えが怪しくなり、外から4番手を追走していた地元大井のサブノジュニアにあっさりと交わされる。

そのサブノジュニアはジャスティンにも迫っていくが、届かず2着まで。重賞初挑戦だったジャスティンが見事に逃げ切り勝ちを決めた。勝ちタイムは1:10.9、3着にも船橋のキャンドルグラスが入るという結果に終わった。

「状態は悪くなさそうだったが、噛み合わなかった」

ジャスティンの最大の持ち味はスピード。すんなりハナを切ってしまえば、ここでも通用するということを見せつけてくれた。ダート短距離界に現れた新星の今後の更なる活躍を楽しみにしたい。そして騎乗していたのは、藤田菜七子騎手の同期でもあり、元大井所属騎手の坂井英光氏を父にもつ坂井瑠星騎手。「大井競馬場で重賞を勝つという夢を叶えられたのはうれしい」と語っていたのが印象的だった。

2着のサブノジュニアは楽に4番手を追走できたのが大きかった。騎乗した矢野貴之騎手は「1200mだと切れる」と話していたように、メンバー中上がり最速となる36.0の末脚を披露した。加えて、速いタイムの決着にも対応できたことは今後に向けても収穫となったはずだ。

不可解な敗戦だったのは5着のコパノキッキング。藤田菜七子騎手は、「終いで脚がなくなってしまったのかは敗因が分からない。馬の状態は悪くなさそうだったが、噛み合わなかった」とコメントしている。楽に2番手を追走していたようにみえたが、実際は1200mのスペシャリスト、まんまとジャスティンのペース持ち込まれたということだろう。次走以降に改めて期待したい。

2020年東京スプリントで敗れたコパノキッキング

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

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