【大阪杯】「ディープインパクト産駒」「友道厩舎」に注目 東大HCが阪神芝2000mを徹底検証

東大ホースメンクラブ

阪神芝2000mコースデータインフォグラフィック

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コース紹介

阪神芝2000mは内回りコースが舞台。コースの起伏は至ってシンプルで、スタート直後に高低差約2mの坂が設定されたのちはバックストレッチ中盤まで800m程度平坦な道となっている。向正面半ほどから3コーナー、4コーナー、そして直線、ゴールまで200mの地点まで非常に緩やかな下りを進み、ここから再び坂を駆け上がる。

当該コースの重賞は4レース。グレード順に、春の中距離王決定戦として2017年よりGⅠに昇格した大阪杯、GⅢはJRAのシーズンで3歳馬が古馬と対決する初めての重賞となる鳴尾記念、極めて難解な牝馬ハンデ重賞のマーメイドS、年末開催の口火を切るチャレンジCの3レースが行われる。

なお京都競馬場改修工事に伴う開催の変更に伴い、2020年はこれらの4レースに加え、GⅢ京都2歳Sも阪神芝2000mでの開催となる(使用するデータは2010年4月3日〜2020年3月22日)。

基本的には内枠有利も…

阪神芝2000m・過去10年の枠別成績

先述したとおりクセのないコースなので、基本的には経済コースをセコく立ち回れる内枠が有利。外枠になるほど複勝率が低下する傾向にある。

しかし大阪杯に限っては1・2枠の成績が壊滅的で、前身の産経大阪杯時代まで含めて2003年以降【0-0-3-35】と連対した馬が存在しない。16年のラブリーデイは1番人気4着、18年はサトノダイヤモンド、シュヴァルグラン、ミッキースワローと3〜5番人気を占めた3頭がいずれも馬券外に消えた。有利な内枠にも関わらず17年連続で連対馬が出ていない重賞は他にちょっと類がない。連系馬券の点数を絞りたいときはまずここから消すべきだろう。

阪神芝2000m・過去10年の脚質別成績

先週紹介した、本来前有利の短距離戦である中京芝1200mよりもさらに逃げ・先行馬が良績を残している。これはレース全体で前半の5F平均が62.04、古馬オープンに限定しても60.57と遅く、先行馬がゆったりとした流れに乗って好走する例が多いためだ。

特筆すべきは「前走」逃げ・先行だった馬をベタ買いしてもある程度の回収率をキープできる点。該当馬は【155-133-123-997】で単複回収率はともに90%台。さらに前走4番人気以内だった馬に限ると【111-87-74-417】で複勝率は39.5%まで上昇、単勝回収率は119%とついにプラス域に突入する。何の工夫もなしに前走人気を集めて先行した馬を買えばお金が増えるという、確実に覚えておきたいデータだ。

ディープインパクト産駒を買えばプラスになる

阪神芝2000m・過去10年の種牡馬別成績

あらゆるランキングで首位に君臨するディープインパクトはここでも例外なく走ってくる。重賞に限定すると【10-7-9-39】複勝率40.0%と抜群の信頼度を誇っており、単勝回収率143%・複勝回収率99%と妙味の面でも文句なし。昨年の大阪杯勝ち馬アルアインは9番人気で、18年マーメイドS勝ち馬アンドリエッテは10番人気で戴冠したように人気薄の激走が多いことが要因だ。よほどコースが合うのだろう。今年は大阪杯で2度の4着があるマカヒキあたりが狙い目か。

ハービンジャー産駒もディープに迫る複勝率をマークしており、特に2勝クラスでは【6-5-4-9】複勝率62.5%とやりたい放題の様相。ハーツクライも3割超えの複勝率。なお出走の多いキングカメハメハ産駒は【31-20-22-181】複勝率28.7%と及第点の数字。

ルーラーシップ産駒は昨年の大阪杯でキセキが2着に入ったように決して成績が悪いわけではないものの、単勝回収率49%・複勝回収率38%と低水準で強調材料に乏しい。ブラックタイド産駒は勝率が3%台と厳しく、単勝回収率は16%しかない。

阪神芝2000m・過去10年の騎手別成績

ドバイ中止の煽りを受けて自宅待機の憂き目を見ているルメール騎手は連対率4割超えの好調ぶり。単勝回収率125%が示すとおり馬券的にもありがたい存在で、返す返すも大阪杯に騎乗できないのが残念だ。

そのルメール騎手の2.5倍の騎乗回数かつ平均騎乗馬人気で劣る川田将雅騎手が過半数の騎乗馬を馬券内に導いているのは字面よりもはるかに評価できる。GⅠ昇格後の大阪杯でも2017年ステファノス(2着)、2018年アルアイン(3着)、2019年キセキ(2着)と堅実。今年はAJCCを勝ったブラストワンピースとのコンビで参戦だが、同馬は相性の良い前走先行組、極め付けにハービンジャー産駒でもある。人気馬の中では最も信頼度が高いといえる。

M.デムーロ騎手はとにかく勝ち切っており、単勝回収率109%に勝負強さが表れている。武豊騎手、福永祐一騎手も4割に迫る複勝率をマーク。

関西圏の中距離は任せろ

阪神芝2000m・過去10年の調教師別成績

大阪杯にワグネリアン・マカヒキの2騎を送り出す友道康夫調教師が連対率・複勝率でトップ。2018年以降では【8-3-5-7】複勝率69.6%、特に2019年以降は出走馬がすべて4着以内と凡走がない。3連系の軸にせよ相手にせよ、馬券では確実に押さえておきたい。

5割近い複勝率を残している2人にも注目。松田国英調教師はこの好走率を残しておきながら単複回収率ともに100%超えと馬券の見地でも頼りになる。池江泰寿調教師は勝率で友道師を上回り、オープンクラス以上の上級条件で【10-3-6-9】複勝率67.9%と真価を発揮する。この条件では単勝回収率も198%と驚異的だ。須貝尚介調教師、角居勝彦調教師と栗東の名伯楽もきっちり結果を残している。

阪神芝2000mで馬券になった馬のコース別成績

最後に阪神芝2000mで3着以内に入った馬における、その他全レースの成績をコース別に紹介。同じ関西圏の中距離コースが名を連ねている。相性のいい京都コースでも外回りの1800mより内回りの2000mの方がいいのが特徴だ。またリピーターも多く、同コースで二度、三度の好走を見せる馬が少なくない。天皇賞・秋の舞台となる東京芝2000mでも結果が出ており、単複回収率はともに100%を超えている。

阪神芝2000mコースデータインフォグラフィック

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」でも予想を公開中。

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