【大阪杯】馬場適性からは浮上する馬とは?悩んだ時は配当妙味のある馬を狙え!
三木俊幸
ⒸSPAIA
Bコース変わりでインコースが更に有利
春の古馬中距離路線の最強馬決定戦、大阪杯(GⅠ・芝2000m)。アーモンドアイ、サートゥルナーリアが不在のメンバー構成となったが、中山記念を快勝して挑むダノンキングリー、前走のAJCCでは力の違いを見せつけたブラストワンピースなど、GⅠ馬5頭を含む好メンバーが揃った。
レースが行われる阪神競馬場の今週末の馬場状態はどうなるのか、そして馬場に適した馬はどの馬なのか、様々な角度から分析してみた。
まずは先週末の阪神競馬場の馬場傾向について振り返る。
土曜日、日曜日ともに雨の影響が残って10レース全てが稍重でのレースとなった。重賞の毎日杯(1800m)の勝ちタイムは1:47.9とまずまずだったが、勝ったサトノインプレッサが使った上がりは35.3と上がりを要する馬場に。日曜日のメインレースでリステッド競走の六甲S(1600m)でも時計は1:34.1、勝ち馬ウーリリの上がりは35.1と前日と同様の傾向だった。
続いて脚質を見ていくと、10レース中先行馬が6勝、差し馬4勝とほぼ互角。2着と3着の結果を見ても同じような傾向が出ており、脚質による有利不利はないと言えるだろう。
しかし直線コースでどこを通ったかを調べてみると、勝ち馬8頭が内から3頭目以内を通っており、インコースが有利という傾向にあった。2着、3着を見てもほとんどが内から5頭目以内を通っており、開催が進んでも内側の馬場状態が良いことが見てとれる。
今週末の天気予報を見ると、水曜日に雨が降ったものの、週末にかけて雨の心配はなさそうなので、良馬場でのレースになると考えていいだろう。ただし、今週からBコースに変わるので、インコースを通った馬の活躍が先週以上に見られるかもしれない。また時計は平均的で1分58秒台の決着、上がりは34秒前後の決着になると予想する。
人気上位馬の適性レベルは高い
では、そうした条件に当てはまる馬はどの馬なのか、分布図を見てみよう。なお、縦軸はスピード型かパワー型かというタイム面の適性現す指標、横軸は瞬発力があるタイプか持続力のあるタイプか好走している時の上がりのかかり具合を表す指標となっている。
【クロノジェネシス】
デビュー当初は32秒後半〜33秒前半の速い決着で勝利するなど、高速馬場に強いタイプかと思わせたが、春の牝馬クラシックでは勝利ならず。しかし秋緒戦となった秋華賞では力の要る馬場を全く苦にせずGⅠ制覇を果たした。その後のエリザベス女王杯は上がり33.3を使いながら5着、前走の京都記念は重馬場で上がりが35.8とかかる中で1着となった。好走できる範囲は広いものの、究極の上がり勝負には限界があるので、34秒前後の上がり決着になりそうな今回の馬場への適性は高いと考える。
【サトノソルタス】
前走の金鯱賞ではスローペースの中、3番手を追走から上がり33.8を使ってサートゥルナーリアの2着となった。正直、今回のメンバーに入って即通用かといえば厳しいとは思うが、前走同様にスローペースで上がり勝負になった時にはチャンスが生まれるかもしれない。
【ステイフーリッシュ】
33秒台の上がりは使えないが、上がりのかかるタフな馬場を得意としている。条件的には厳しいが、思い切った騎乗でスタミナ勝負のバテ比べに持ち込めば、馬場の良い内ラチ沿いを通って粘りこむシーンがあっても不思議ではない。
【ダノンキングリー】
東京コースでも共同通信杯で上がり32.9、毎日王冠で33.4を使って勝利しているが、個人的には中山コースで勝利したひいらぎ賞、中山記念、そして3着となった皐月賞の内容を高く評価。コーナーでうまく加速できるタイプなので、阪神の内回り2000mはベストな条件だと考える。
【ブラストワンピース】
2年前の有馬記念、3走前の札幌記念、前走のAJCCと強い勝ち方を見せているのは、いずれもパワーと持続力を必要とするコース。今の阪神コースよりはそれに比べると、少し高速馬場だが、能力の高さを考えると許容範囲内なのでチャンスは十分ある。
【ラッキーライラック】
3走馬のエリザベス女王杯は時計のかかる馬場でありながら、中団を追走して上がり32.8を使って勝利している。しかし基本的には先行タイプで33秒後半〜34秒前半の決着に強いタイプだと考える。阪神2000mという条件もあっているので、ここでもいい勝負ができるだろう。
【ワグネリアン】
昨年の大阪杯とジャパンCで3着となっているが、大阪杯は稍重に近い馬場、ジャパンCは重馬場での好走だった。しかし飛びのきれいな馬なので理想は良馬場。その理想的な馬場で行われた天皇賞・秋だったが、1:56.2という勝ちタイムはワグネリアンにとって速すぎて5着という結果に終わった。当時より時計のかかる阪神コースは理想的な馬場だということに加えて、34.0と切れ負けしていた点についても、今回は補うことができる馬場なので、好走できる条件は全て揃ったと考える。適性の高さはダノンキングリーと双璧をなすが、配当妙味がありそうなので、こちらを上位に取りたい。
【大阪杯予想】
◎ワグネリアン
○ダノンキングリー
▲クロノジェネシス
△ラッキーライラック
×ブラストワンピース
×ステイフーリッシュ
×サトノソルタス
おすすめ記事