【マイルCS】富士S勝ち馬ガイアフォース、二冠牝馬チェルヴィニアは消し ハイブリッド式消去法
久保田大五郎

ⒸSPAIA
5つのデータから絞れた馬は?
今週は京都競馬場でマイルCSが行われる。その名の通り下半期のマイル王者を決める一戦だ。いつも通り過去10年のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。当てはまった馬を消していく。
今回はフルゲート18頭に対して22頭が登録してきた。賞金が足りている馬のうち、エコロヴァルツが福島記念との両にらみで出否不透明。そのため現時点で補欠1番手のシャンパンカラーまで含めた19頭を対象とする。
『前走4着以下』×『非・社台系生産馬』★1.8%★
まずはいつも通り、直近の成績が冴えない馬からふるいにかける。このレースは「前走着順」の要求水準が高く、連対20頭のうち18頭が前走で3着以内だった馬。逆に「前走4着以下」は【1-1-5-89】複勝率7.3%と結果が出ていない。
「前走4着以下」のうち、生産が社台ノーザン系(※社台F、ノーザンF、追分F、社台コーポレーション白老F)でない馬は【0-0-1-55】同1.8%。昨年ウインマーベルが3着に力走したが、あれが10年で唯一の好走例だった。
このデータで7頭が消える。ウインマーベルは自身がデータブレイクしたわけだが、後述の別項目にも引っかかるのでいずれにせよ消し。イギリス調教馬ドックランズも消去となった。
【今年の該当馬】
・ウインマーベル
・ウォーターリヒト
・エコロヴァルツ
・エルトンバローズ
・カンチェンジュンガ
・トウシンマカオ
・ドックランズ
『6歳以上』×『マイルCS連対歴なし』★0.0%★
続いては年齢。マイルCSでは3~4歳馬が計7勝と気を吐き、5歳ですらやや押され気味。まして6歳以上ともなると【1-1-0-31】複勝率6.1%とかなり苦戦を強いられている。
好走2例は15年2着フィエロ、昨年1着ソウルラッシュで、両者とも前年のマイルCS2着馬。いわゆる「リピーター」だった。言い方を変えると「マイルCSで連対実績がない6歳以上馬」は【0-0-0-24】と出番なしだ。
これで新たにガイアフォースとロングランが脱落する。ガイアフォースは前走でジャンタルマンタルとソウルラッシュを破ったが、当時はその2頭より斤量が2キロ有利だった。本番で逆転を食らう可能性は高い。
【今年の該当馬】
・(ウインマーベル)
・ガイアフォース
・(トウシンマカオ)
・ロングラン
『牝馬』×『対牡馬のGⅠ~GⅡ勝利歴なし』★0.0%★
次はアスコリピチェーノら4頭が出走する「牝馬」がターゲット。牝馬の成績は【3-0-1-24】複勝率14.3%と一見、可もなく不可もない。
内訳を見ると、連覇したグランアレグリアはその前に安田記念でアーモンドアイを破ったほどの馬で、22年3着ソダシはGⅠ・3勝+前年の札幌記念1着、23年1着ナミュールは前走で富士Sを制覇していた。いずれも「牝馬限定でないGⅡ以上」を勝った実績があった。
牝馬の取捨は、牡牝の垣根を越えて活躍できているか、がチェックポイント。「対牡馬のGⅠ~GⅡ勝ちがない牝馬」は【0-0-0-21】でスパっと消せる。
牝馬4頭のうち、アスコリピチェーノだけは1351ターフスプリント(GⅡ)でウインマーベルに勝った実績を有する。チェルヴィニアは二冠牝馬だが、牡馬相手の重賞勝ちはなし。ラヴァンダ、ワイドラトゥールも同じく消去だ。
【今年の該当馬】
・チェルヴィニア
・ラヴァンダ
・ワイドラトゥール
『前走がスワンS』×『前走3番人気以下』★0.0%★
今度は前哨戦のレース選択と、そこでの人気に注目する。マイルCSの前には関西圏のステップレースとして1400mのスワンSが用意されている。ただ、当レースにおけるスワンS組の成績は【0-1-2-27】複勝率10.0%。お世辞にも前哨戦として機能しているとは言い難い。間隔が詰まる上に本番で1ハロンの距離延長になるのだから、当然と言えば当然である。
特に「スワンSで3番人気以下だった馬」は【0-0-0-17】と全滅していた。これを4つ目のデータとして採用する。
そのスワンSを5番人気で勝ったオフトレイルが消去リスト行きとなった。京都【3-3-1-0】の実績は強烈だが、折り合いの難しさも抱えていて、ベストは1400m。理想的な条件だった前走から距離が延び、相手も一気に強くなる。今回は敷居が高い。
【今年の該当馬】
・(ウインマーベル)
・オフトレイル
・(ワイドラトゥール)
『前走が1600m』×『当日7番人気以下』★0.0%★
4つの項目を終えた時点で残るは6頭。最後は当日の単勝人気順を絡めたデータを紹介する。
掛け合わせるのは前走の距離。前走でも同じ1600m戦に出走していた馬は【5-5-1-67】複勝率14.1%と、この数字自体は特段よくも悪くもない。ただし馬券に絡んだのは上位人気馬ばかりで、7番人気以下なら【0-0-0-49】とことごとく沈んでいる。4着すらおらず、5着も1頭だけという惨状だった。
残り6頭のうち、下記5頭は前走でマイルに出走していた。このうちアスコリピチェーノ、ジャンタルマンタル、ソウルラッシュは6番人気以内(=消去回避)が事実上は確実。シャンパンカラーとマジックサンズは高い確率で7番人気以下、すなわち消去となりそうだ。
【今年の該当候補】
・アスコリピチェーノ
・シャンパンカラー
・ジャンタルマンタル
・ソウルラッシュ
・マジックサンズ
5つのデータを終えて、確実に残るのはレーベンスティールだけになった。といっても前述の通りアスコリピチェーノ、ジャンタルマンタル、ソウルラッシュもほぼ間違いなく消去を免れ、4頭での勝負となるだろう。
堅い結論にはなったが、先週もレガレイラから馬連2点で12.8倍を的中できたように、点数が絞れていればノープロブレムだ。今週は3連複4頭ボックス、4点で勝負する。ジャンタルマンタル、アスコリピチェーノ、ソウルラッシュの3頭で決まってもさすがにトリガミはないはずだ。
《ライタープロフィール》
久保田大五郎
競馬歴14年目のアラサーおじさん。データを駆使した予想でロマン馬券を狙う。趣味は料理とプロ野球観戦。大のベイスターズファン。
《関連記事》
・【マイルCS】過去10年のレースデータ
・【マイルCS】富士S組ガイアフォース、ジャンタルマンタルら中心 “傾向変化”に乗りたいスワンS組オフトレイルも警戒
・【マイルCS】「前走GⅡ以上で3着以内」は単回収率116% 春秋マイル連覇挑むジャンタルマンタルを中心視
