【桜花賞】今年は危険な人気馬がズラリ 「3つの消しデータ」を免れた不動の本命馬とは?
逆瀬川龍之介

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買える馬と買えない馬は?
今年の桜花賞は近年屈指の混戦模様だ。というのも、この世代の牝馬で芝の重賞&オープンを2勝以上した馬は皆無。つまり、勝ち馬がコロコロと変わっているのだ。
そこでデータに着目。過去10年の結果を徹底的に分析していく。まずは買えない馬をピックアップしてみよう。
【消しデータ1】前走1着馬は前走の上がり3Fの順位に注目
前走を勝って参戦した馬は65頭。面白いのは前走の上がり3Fの順位別成績だ。1位だった馬が【2-2-0-21】、2~3位だった馬が【1-1-4-12】と及第点の成績を残しているのに対し、4位以下だった馬は【1-0-0-21】と大苦戦。唯一の例外は21年1着のソダシだが、前走はGⅠの阪神JFだったので大目に見ていいだろう。
それ以外の馬だと、同じく21年にアカイトリノムスメ(前走クイーンC1着)が4着、メイケイエール(前走チューリップ賞1着)が18着、23年にはハーパー(前走クイーンC1着)が4着に敗れているので、とてもではないが強気に推せない。
今年の登録馬のうち、前走が1着、かつ上がり3Fが4位以下だったのは4頭。上位人気に推されそうな馬がズラリと並ぶが、思い切って"消し"としたい。
【消しデータ1】の該当馬
エリカエクスプレス
エンブロイダリー
クリノメイ
トワイライトシティ
【消しデータ2】前走掲示板外はさすがに…
結論からいえば、前走掲示板外(6着以下)からの巻き返しは難しい。前走で6着以下だった馬は【0-1-2-34】の勝率0.0%、連対率2.7%で、馬券に絡んだのは15年2着のクルミナル、同3着のコンテッサトゥーレ、20年3着のスマイルカナの3頭となる。
ただ、15年の2頭は前走のチューリップ賞が、20年のスマイルカナは桜花賞が重馬場だった点に注意が必要だ。したがって前走が良~稍重で6着以下だった馬が、良~稍重の桜花賞に出走した場合、全29頭が4着以下となる。
今年の桜花賞の馬場状態は神のみぞ知るところだが、仮に良~稍重なら、前走6着以下の馬は買いづらい。
【消しデータ2】の該当馬
ダンツエラン
ブラウンラチェット
ランフォーヴァウ(出走回避を表明)
ルージュラナキラ(除外対象)
【消しデータ3】軽量馬は苦戦
この時期の牝馬が阪神の急坂を駆け上がるには、ある程度のパワーが必要だ。同舞台の阪神JFと同じく、軽量馬は苦戦傾向。では、レース当日の馬体重別の成績を見てみよう。
<馬体重別成績>
~419kg【0-0-1-15】
勝率0.0%、複勝率6.3%
単勝回収率0%、複勝回収率45%
420~459kg【0-4-3-79】
勝率0.0%、複勝率8.1%
単勝回収率0%、複勝回収率34%
460~499kg【10-6-6-47】
勝率14.5%、複勝率31.9%
単勝回収率132%、複勝回収率76%
500kg~【0-0-0-7】
勝率0.0%、複勝率0.0%
単勝回収率0%、複勝回収率0%
一目瞭然、459kg以下は勝ち切れていない。3番人気以内に限っても【0-2-1-7】で、15年には1番人気のルージュバックが9着、22年には同じく1番人気のナミュールが10着に沈んでいる。
今年の登録馬のうち、前走時点で馬体重が459kg以下だったのは下記の13頭だ。
【消しデータ3】の該当候補
ウォーターガーベラ
エストゥペンダ(除外対象)
エリカエクスプレス
クリノメイ
ショウナンザナドゥ
スリールミニョン(除外対象)
トワイライトシティ
ビップデイジー
ブラウンラチェット
プリムツァール
ボンヌソワレ
ランフォーヴァウ(出走回避を表明)
ロヴィーサ(除外対象)
信頼しない手はないアルマヴェローチェ
月曜時点の除外対象の6頭(エストゥペンダ、スリールミニョン、ミストレス、ムイ、ルージュラナキラ、ロヴィーサ)を除いた18頭のうち、以上の3つの関門を潜り抜けたのは計6頭だ。
<関門を潜り抜けた馬>
アルマヴェローチェ
ヴーレヴー
チェルビアット
ナムラクララ
マピュース
リンクスティップ
中でも本命はアルマヴェローチェ。心強いデータがある。
阪神芝1600mの外回りが舞台となった07年以降の桜花賞において、阪神JFを上がり最速で連対していた馬は【3-4-1-1】の好成績。昨年の阪神JFは舞台が京都ではあったが、上がり3F最速で完勝したアルマヴェローチェを信頼しない手はないだろう。馬券は馬連&ワイド&3連複。上に挙げた5頭に流して高配当を仕留めたい。
《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GⅠのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。
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