【中日新聞杯】波乱のハンデ重賞! アスクワイルドモア、プログノーシスら中心に手広く

2022-12-04 17:00:08SPAIA編集部
2022年中日新聞杯のデータ,ⒸSPAIA

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師走のハンデ重賞として

2022年12月10日に中京競馬場で行われる中日新聞杯。6年前まではこの時期に、この中京芝2000mで行われる重賞はGⅡの金鯱賞だった。金鯱賞組は2012年オーシャンブルー、2013年ウインバリアシオンが有馬記念で好走。消耗度の激しいGⅠ戦線を歩んだ実績馬たちに一矢報いる裏街道としてそれなりに機能していたのだが、2017年から大阪杯の前哨戦として3月にお引っ越し。代わりに、もともと3月のハンデ重賞だった中日新聞杯がこちらに“トレード”されてきたという経緯がある。

牡馬が出走可能なハンデ重賞としては年内ラストとなるレースで、昨年は3連単236万という高配当が飛び出した一戦。予想の難易度は高いが、的中した場合のロマンも特大。まずは過去10年と、現行時期となってからの5年間を織り交ぜながらデータを見ていこう。

中団からの差しを警戒

人気別成績,ⒸSPAIA


まずは人気別から。1番人気は【2-2-2-4】、2番人気は【2-1-1-6】。やや低調ながら極端に悪くはない。しかし3、4番人気は未勝利で、過半数の6勝は5番人気以下。人気薄の台頭に注意だ。

脚質別成績,ⒸSPAIA


続いて脚質。昨年は痛烈な前残りだったが、10年トータルで見ればむしろ差し有利。4角6~10番手で通過した馬が8勝を挙げており、中団からの差しはよく届く。これは12月開催となった直近5年に限っても傾向に大きな変化はない。

前走クラス別,ⒸSPAIA


前走クラスだと、GⅡやGⅠを走っていた馬の複勝率27%程度とやや高い。この傾向にも大きな変化なし。以下、GⅢ組とOP・L組が同14%前後、3勝クラスからの昇級戦で馬券に絡んだのは14年1着マーティンボロだけ。順当に強い相手と戦ってきた馬を評価すべきだ。なお、GⅢのうち福島記念組は【0-0-0-13】、福島記念の好走馬4頭含めて全滅している。

年齢別成績,ⒸSPAIA


12月に変更されてからの年齢別成績を見ると、3歳【1-1-0-4】、4歳【3-2-3-18】の2世代が優勢。5歳以上は【1-2-2-47】で連対率5.8%と苦戦を強いられている。5歳以上で馬券に絡んだ5頭だが、うち3頭は昨年のワンツースリー。昨年はそもそも4歳以下の馬が18頭中4頭だけという事情もあった。若い馬を優先的に考えたい。

前項の内容とあわせて「4歳以下で前走GⅠ」なら過去10年【1-1-2-3】、過去5年でも【1-1-1-2】とハイアベレージ。菊花賞に参戦したアスクワイルドモアが浮上する。

プログノーシスの初タイトルは

「中団からの差し」「前走GⅡかGⅠ」「4歳以下」、そして積極的に人気薄を狙いたい、という前提を整理したところで、ここからは有力馬に関するデータを見ていこう。

まずはプログノーシス。デビューから6戦4勝、シャフリヤールとグレートマジシャンが戦った毎日杯3着の実績がある。カシオペアSでは2着に敗れたが、上がり33.1秒の脚は使っており、逃げ馬の術中にハマっての取りこぼしという内容だった。

前走が2着だった馬は【2-2-1-7】複勝率41.7%の好成績。カシオペアSを上がり最速で2着というプロフィールは、一昨年の勝ち馬ボッケリーニと同じ。また、ディープインパクト産駒は10年で5勝。強いて気になる点を挙げれば、前走が阪神コースだった馬は【0-0-0-12】。単なる偶然ではあるだろうが、一応紹介しておく。

キラーアビリティはGⅠ・ホープフルSを勝った2000mに戻してのGⅢ出走。使うからには取りこぼしたくない立場だが、ハンデ面は気になるところ。プログノーシスと同じくディープインパクト産駒なのが好材料だが、12月開催になってから前走アルゼンチン共和国杯組は【0-0-0-7】と不振。サンプルの7例は2400~2500m付近が本職の馬ばかりで、これだけで消しと断ずるのは乱暴だが、データからは推奨できない。

ほか、トゥーフェイスとバジオウが該当するオクトーバーS組は【0-2-0-7】。2着の2例はどちらもオクトーバーSで8着に敗れ、手ごろなハンデに留まったなかでの反撃だった。バジオウは前走8着。穴候補としての資格は十分だ。

最後に、過去の好走馬について観察すると、昨年8番人気1着だったショウナンバルディはレースを迎えた時点で中京コース【2-1-1-2】という成績。ほかにも2年連続好走したシゲルピンクダイヤ、のちに金鯱賞で大穴を開けるギベオン、当時コースレコードを持っていたストロングタイタン、金鯱賞で三度好走したサトノノブレスなど、中京巧者の名が目立つ。前章で登場したアスクワイルドモアはもちろん、このコースで重賞を勝っているギベオンも抑えておきたいところ。いずれにせよ、波乱を見据えて手広く構えておくのが賢明だろう。

2022年中日新聞杯に関するデータ,ⒸSPAIA