【クイーン賞予想】グランブリッジが強豪古馬を撃破する

2022-11-30 06:00:37菊池敬太
2022年クイーン賞データ,ⒸSPAIA

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新たなクイーンの座を巡る戦い

クイーン賞(ダート1800m・JpnⅢ)が2022年11月30日(水)に船橋競馬場で実施される。牝馬のダートグレードでは唯一のハンデ戦で、今年5月に当地のかしわ記念でJpnⅠ制覇を果たしたショウナンナデシコをはじめ、JBCレディスクラシックでクビ差の2着まで追い込んだ3歳馬グランブリッジ、ダートグレードで上位争いを演じているテリオスベル、地方馬では昨年のJBCレディスクラシックで3着と善戦したリネンファッションなど各地から好メンバーが集結した。

TCK女王盃(2023年1月25日、大井ダート1800m)、エンプレス杯(2023年3月1日、川崎ダート2100m)と続く牝馬ダートグレード戦線を占う意味でも見逃せない一戦。過去10年の傾向から勝ち馬を導き出す。

過去10年のクイーン賞,ⒸSPAIA
人気別成績,ⒸSPAIA


人気別成績を見ると、1番人気が【4-4-0-2】と勝率、連対率ともに信頼度は高い。2~4番人気も上位争いを演じているが、ハンデ戦だけあって6番人気以下が2勝含む3連対。伏兵にも注意が必要だ。

所属別成績,ⒸSPAIA


所属はJRAが14連対(栗東7、美浦7)と有利だが、地方馬は大井が4連対、川崎と船橋がそれぞれ1連対。大井と川崎は連対率で20%を超えており、2019年から3年連続で地方馬が優勝を果たしている。

年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢は4歳馬が7連対でリードしているが、連対率では7歳馬以上が27.3%と高かった。3歳馬と6歳馬がそれぞれ4連対で、特に6歳馬は勝率15.8%の好成績。ほかに5歳馬が2連対だった。

連対馬20頭の内訳だが、実績面では14頭にダート1800mの重賞で連対歴があった。残る6頭中3頭はダート1800mで3回以上連対していた。また、15頭が前走でJBCレディスクラシックかレディスプレリュードに出走。近5年では10頭中9頭が該当する。脚質は【逃げ7先行9差し4追込0】で、2017年以降は逃げ馬が4勝含む5連対と好調だ。

2022年クイーン賞のピックアップデータ,ⒸSPAIA



ニューヒロインの誕生だ

◎グランブリッジ
栗東所属の3歳馬で、今年は関東オークスとブリーダーズゴールドカップを制した。前走のJBCレディスクラシックでは勝ったヴァレーデラルナにクビ差の2着まで迫る末脚を見せ、ショウナンナデシコには先着。着実にパワーアップしていることを証明している。データ的にもJBCレディスクラシックからの参戦で、1800m重賞でも連対。先行差しと自在に立ち回れる強みがあり、斤量54キロで出走できるのも魅力だ。ナイターも川崎や門別で経験済みであり、強豪の年長馬を撃破して来年の主役に躍り出る。

◯ショウナンナデシコ
前走のJBCレディスクラシックで3着に敗れたが、JpnⅠを勝った実績から牝馬同士では地力上位の存在。過去10年でトップハンデが4勝をマークしている点は好材料だが、57.5キロを背負ったのは2013年のホエールキャプチャ(13着)だけ。56.5キロの馬も2着2回と勝利実績がなく、斤量の克服がポイントになる。ただ、この馬自身は船橋2戦2勝と抜群の適性を示しており、得意のコースに替わるのはプラスだ。

▲テリオスベル
JBCレディスクラシックは6着に敗れたが、今夏のマーキュリーカップと2走前のレディスプレリュードで2着。ダートグレードでは安定した走りを続けている。全5勝中3勝を1800mでマークしており、ここでも大崩れは考えにくい。

ほか、ホウオウピースフルは初めてのダート戦だが、ダート中長距離に高い適性を示しているオルフェーヴル産駒という点は魅力。初物づくしに戸惑わなければ上位に食い込んできそうだ。1800mで連対実績がある浦和のリネンファッション、1800mの重賞で連対歴がある大井のコスモポポラリタと川崎のコーラルツッキーも、ハンデ差を生かせれば馬券圏内に入ってきてもおかしくない。

《ライタープロフィール》
菊池 敬太
サンケイスポーツで南関東競馬を中心に予想とコラムを掲載。
近況のレース内容や傾向、データのほか、現場取材などで集めた情報をもとに高配当を狙っている。

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