【東京大賞典】焦点は2、3着探し 南関勢でモジアナフレイバーより狙えるのは?

2020-12-29 11:00:16SPAIA編集部 鈴木佑也
東京大賞典過去5年の優勝馬ⒸSPAIA

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1番人気5連敗中も…

12月29日には大井競馬場で東京大賞典が行われる。地方の競馬場で施行されるレースとしては唯一の国際GⅠ格付けを持つ、年末のダート総決算だ。実は1番人気が5連敗中で、中央勢による堅い決着が多い交流重賞にしては、意外と一筋縄ではいかないレースでもある。

東京大賞典過去5年の優勝馬



ただ、直近5年で敗れた1番人気は全て前走チャンピオンズC組だった。南部杯・JBC・チャンピオンズCと続くダート戦線の最後、極寒期の決戦というスケジュール。加えて、中央ダートとの求められる適性の違いが波乱の一因となっているようで、JBCからゆとりをもって東京大賞典を狙いすましてきたオメガパフュームは少々事情が異なっている。

さて、ここからは東京大賞典で狙いたい馬を探っていく。先日行われたYJSは創設以来地方騎手の4連覇。また、全日本2歳優駿は南関馬ワンツー、3着も大井出身の戸崎圭太騎手という決着。このレース自体も昨年2,3着に大井の2頭が入って3連単386倍が出ている。勢いを増す地方所属の人馬も侮れない。

南関勢の最上位

1倍台の人気が想定されるオメガパフュームはこれまで大井コース【3-3-0-0】。先着を許したのはクリソベリルと、3歳時のルヴァンスレーヴだけ。帝王賞・JBCで争ったクリソベリル、チュウワウィザード不在のここは何枚も抜けた存在だろう。

焦点となるのは2,3番手。中央勢は交流GⅠでの好走歴がない馬、やや低調だった浦和記念組が中心。そこで対抗はJBCクラシック4着の船橋所属ミューチャリーとする。2走前は1000m通過58.6秒というハイペース。積極的に出していった分、ラストは甘くなってしまった。

前走のような末脚に賭ける形がこの馬本来の姿。前後半61.4-61.1の平均ペースで特に展開が向いたわけでもなかったが、ダノンファラオ以下に先着。持ち味の活きる大井2000mなら引き続き中央馬とも互角の勝負が可能だ。

3番手はウェスタールンド。前走の浦和記念はいつも通り後方にじっくりと構える形。向正面から勢いよく進出したが、後半11.6-12.9-12.5という速いラップで小回り浦和の3・4コーナー、内から約6頭目を回る形はさすがに厳しかった。

浦和記念組ではただ1頭内容が際立っており、直線の長い大井へのコース替わりもプラスだろう。

ダノンファラオはアメリカンファラオ産駒の特徴に漏れず、もまれない形が好走条件。ストレスなく走ったときの実力は確かだが、内目の3枠5番、すぐ外にマイルの快速逃げ馬ワークアンドラブがいる点がどうか。

地方勢1番手の人気になりそうなのはモジアナフレイバー。ただ、体質的に連戦歓迎の馬ではなく、中1週での盛岡遠征もあった秋4戦目、かつ中2週の強行軍は気になるところ。昨年も勝島王冠で完封したノンコノユメに東京大賞典で逆転を許しており、3着に敗れた前走からの上積みは期待できそうにない。

カジノフォンテンは前走こそ楽な逃げに持ち込んで押し切ったが、2歳時に初角で逸走した経験もあるように右回りの大井は【1-0-1-5】といまひとつ。今回は見送りとしたい。

▽東京大賞典予想▽
◎オメガパフューム
〇ミューチャリー
▲ウェスタールンド
×ダノンファラオ


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