【レパードS】人気の盲点、逃げ馬を狙い打ち 東大HCが新潟ダ1800mを徹底検証

東大ホースメンクラブ

新潟ダート1800mコース紹介,ⒸSPAIA

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コース紹介

今週は新潟ダ1800mを舞台に、夏の3歳ダート王決定戦・GⅢレパードSが行われる。前走の弥富特別で2着に1秒3差をつけたタイセイドレフォン、ジャパンダートダービー4着馬ハピ、2歳時から高いパフォーマンスを発揮してきたホウオウルーレットなど、灼熱の新潟に未来の砂界を沸かせる大器が集結した。

新潟ダ1800mが舞台の重賞はレパードSのみだが、条件戦を中心に施行回数が多い。このコースの特徴をデータで分析していく(使用するデータは特記がない限り2019年8月3日〜2022年7月31日)。

まずはコース紹介。ホームストレッチをスタート地点とし、1コーナーまで約400mのポジション争いが行われる。2コーナーを過ぎて向こう正面の直線を400mほど走り、カーブのきつい3・4コーナーを通過。353.9mの最後の直線で末脚勝負となる。全体として起伏の少ないコースだ。

人気の盲点となる逃げ馬

新潟ダ1800m・過去3年の枠別成績,ⒸSPAIA


<新潟ダ1800m・過去3年の枠別成績>
1枠【15-14-18-193】勝率6.3%/連対率12.1%/複勝率19.6%
2枠【26-21-30-304】勝率6.8%/連対率12.3%/複勝率20.2%
3枠【32-34-31-313】勝率7.8%/連対率16.1%/複勝率23.7%
4枠【36-31-28-337】勝率8.3%/連対率15.5%/複勝率22.0%
5枠【41-41-27-341】勝率9.1%/連対率18.2%/複勝率24.2%
6枠【40-33-41-348】勝率8.7%/連対率15.8%/複勝率24.7%
7枠【21-37-29-387】勝率4.4%/連対率12.2%/複勝率18.4%
8枠【33-31-39-377】勝率6.9%/連対率13.3%/複勝率21.5%

枠別成績では極端な枠よりも中枠の好走率が高い。コーナーがタイトなだけにごちゃつく内枠やコースロスの大きい外枠より相対的によいようだ。複勝回収率にも同様の傾向があり、安定感・妙味ともに真ん中あたりの馬をおすすめしたい。

過去13回のレパードSを見ても、複勝率が2割を超えているのは3~5枠のみ。中でも4枠が【3-3-1-19】複勝率26.9%でトップ、単勝回収率も144%と黒字域だ。近6年のうち4レースで4枠から連対馬が出ており、中には2019年に10番人気で勝った白毛馬ハヤヤッコの名前も。連系馬券に絡ませておくのが面白そうだ。

新潟ダ1800m・過去3年の脚質別成績,ⒸSPAIA


<新潟ダ1800m・過去3年の脚質別成績>
逃げ【49-32-29-165】勝率17.8%/連対率29.5%/複勝率40.0%
先行【140-135-107-421】勝率17.4%/連対率34.2%/複勝率47.6%
差し【39-62-91-1060】勝率3.1%/連対率8.1%/複勝率15.3%
追込【6-5-11-926】勝率0.6%/連対率1.2%/複勝率2.3%

新潟と言えば広い芝コースの印象がある分、後ろにもチャンスがあるイメージを持つ方がいるかもしれないが、前述した通りダートコースはタイトなコーナーが特徴のため、逃げ・先行が圧倒的に有利となる。4角10番手以下だった全1009頭のうち勝ったのは6頭、13番手以下なら【2-0-0-415】と絶望的なデータが出ており、前目のポジションを取れる馬から重い印を打ちたい。

全13回のレパードSでも逃げ【2-4-1-6】複勝率53.8%、先行【7-6-7-25】複勝率44.4%、差し【4-3-2-66】複勝率12.0%、追込【0-0-3-53】複勝率5.4%と同様の傾向が強くなっている。特に2013年以降に限ると逃げ馬は【2-4-1-2】複勝率77.8%で、2020年7番人気1着ケンシンコウ、2021年6番人気3着レプンカムイと穴の激走が少なくない。人気の盲点となっているケースを狙い打ちたい。

侮れないドゥラメンテ

新潟ダ1800m・過去3年の種牡馬別成績,ⒸSPAIA


<新潟ダ1800m・過去3年の種牡馬別成績>
ドゥラメンテ【4-4-3-23】勝率11.8%/連対率23.5%/複勝率32.4%
キズナ【7-6-5-44】勝率11.3%/連対率21.0%/複勝率29.0%
ロージズインメイ【3-3-2-25】勝率9.1%/連対率18.2%/複勝率24.2%
シニスターミニスター【3-2-5-44】勝率5.6%/連対率9.3%/複勝率18.5%

レパードSに登録のある種牡馬ではドゥラメンテが目を引く。父キングカメハメハがレパードSで【2-1-3-6】と抜群の相性を誇っていたのをなぞるような好成績で、ギャラクシーナイトには注意を払っておきたい。

JDD4着のハピ、14戦のキャリアがあるライラボンドが該当するキズナも複勝率が3割近い。5番人気以内に限ると【7-6-4-16】複勝率51.5%と過半数の馬が馬券に絡んでいる。ホウオウルーレットが該当するロージズインメイはまずまずの数字。一方ダート界の雄シニスターミニスターは意外にも数字が伸びていない。

新潟ダ1800m・過去3年の騎手別成績,ⒸSPAIA


<新潟ダ1800m・過去3年の騎手別成績>
三浦皇成【9-10-9-30】勝率15.5%/連対率32.8%/複勝率48.3%
鮫島克駿【10-11-8-39】勝率14.7%/連対率30.9%/複勝率42.6%
吉田隼人【12-13-3-31】勝率20.3%/連対率42.4%/複勝率47.5%

騎手別で複勝率4割を超えている主要な騎手は3人。三浦皇成騎手は単勝回収率101%、複勝回収率100%をマークしており、条件戦を中心に結果を残している。レパードSではバレルゾーンに騎乗予定。

関西では鮫島克駿騎手が第一人者。こちらは単勝回収率145%が光っており、4番人気以内なら【8-8-7-13】複勝率63.9%と1番人気級の信頼感がある。また吉田隼人騎手も勝率2割に乗せており、単系馬券を託したくなるジョッキーだ。

その他レパードS絡みではホウオウルーレットに騎乗予定の福永祐一騎手が【2-1-4-15】、タイセイドレフォンの川田将雅騎手が【4-1-0-8】、ハピの藤岡佑介騎手は該当期間では騎乗がなかった。

新潟ダート1800mの特徴と傾向,ⒸSPAIA



《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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