スタートダッシュでさらなる飛躍へ！　松山弘平騎手の「買える条件・買えない条件」

ⒸSPAIA

誇れるリーディング2位

早くも1月が終わり、各種リーディング争いはなじみの上位陣が指定席のポジションを確保しつつある。現時点での騎手リーディングはルメール騎手の正月休暇と重賞での不振もあり、川田将雅騎手が首位。勝率3割、19勝と文句なしの数字で快調にスタートを切った。

続く2位につけるのが松山弘平騎手。騎乗機会が他の騎手に比べ多いとはいえ、ルメール騎手（15勝）を上回る17勝は立派な成績。新年一発目の京都金杯でザダルを重賞制覇に導くなどこちらも勢いは十分、昨年以上の結果が期待できそうだ。今週は松山弘平騎手の騎乗成績をチェックし、馬券で狙える条件と狙えない条件を探っていく（使用するデータは特記ない限り2017年1月5日～2022年1月30日）。

まずは松山騎手のここまでのキャリアを振り返る。

2009年にデビュー。同期には丸山元気騎手、国分恭介、優作騎手、小野寺祐太騎手がいる世代。初騎乗、初勝利の鮮烈デビューから勝ち鞍を積み重ね、36勝を挙げて最多勝利新人騎手のタイトルを獲得した。

その後も大きなスランプに陥ることなく関西のホープとしての地歩を固め、2012年の中日新聞杯をスマートギアで制し重賞初制覇、2015年のJBCスプリントをコーリンベリーで制しJpnⅠのタイトルもつかんでいる。

さらなる飛躍を果たしたのが2017年。アルアインとのコンビで毎日杯を快勝すると返す刀で皐月賞も勝ち、27歳で初の中央GⅠ制覇を決めた。この年は61勝に終わったものの、続く2018年は84勝、2019年は91勝と着実にステップアップ。リーディングのベスト10に名を連ね、一流ジョッキーの仲間入りを果たした。

そして2020年、デアリングタクトを史上初の無敗牝馬三冠に導く大偉業を達成。初の3桁、127勝、重賞9勝はいずれもキャリアハイ、騎手リーディングも4位と自己最高を記録。2021年は130勝と前年の記録を更新し、GⅠでもテーオーケインズと帝王賞、チャンピオンズCを勝利。騎手リーディングも順位をひとつ上げて3位へ浮上した。

冬のスタートダッシュが恒例

＜松山弘平騎手を「買える条件」＞
池江泰寿厩舎：勝率27.7%/連対率43.1%/複勝率49.2%/単勝回収率184%
1・2月：勝率12.2%/連対率22.5%/複勝率31.2%/単勝回収率125%
前走2着×継続騎乗：勝率23.1%/連対率42.1%/複勝率55.9%/単勝回収率97%
うち、芝：勝率22.1%/連対率38.5%/複勝率50.8%/単勝回収率123%

まず回収率の高い「買える条件」についてチェックする。

調教師別では池江泰寿調調教師を推奨。アルアインとのコンビが印象深いが、その他の馬でもコンスタントに結果を残しており、ほぼ2頭に1頭を馬券圏内に持ってきている。人気薄であっても好走率に変化は見られず、馬券妙味の面でも信頼できる。今年もスマートクラージュの淀短距離S制覇など3戦3勝。見かけたら自動的に買いたい。

毎年のようにスタートダッシュを決めるジョッキーでもあり、1、2月の成績はベタ買いで黒字。前走2着以下だった馬に限定すると勝率13.1%、単勝回収率148%とかなり強調できる。安定感があるのはダートだが（複勝率35.0%・単勝回収率135%）、より妙味を求めるならば芝で狙いたい（複勝率27.9%・単勝回収率167%）。

前走惜しくも2着に敗れた馬を着実に好走させるのも特徴。継続騎乗では複勝率5割を超え、芝ではさらに数字が向上。うち2勝クラス以下では単勝回収率137%を記録している。条件戦の階段を最小ステップで駆け上がる馬が多く、平場で応用したいデータだ。

GⅠ・GⅡにはまだ壁

＜松山弘平騎手を「買えない条件」＞
阪神芝：勝率8.9%/連対率20.4%/複勝率27.6%/単勝回収率58%
GⅠ・GⅡ：勝率7.1%/連対率13.5%/複勝率22.8%/単勝回収率36%

次に「買えない条件」をピックアップ。

競馬場別成績では大きな穴はないものの、主要4場では阪神芝の成績が落ち込んでいる。1800m戦の単勝回収率33%など人気馬で勝ち切れないケースが多く、2、3着付けで高配当を狙うのも一策だろう。

GⅠ、GⅡの条件ではまだコンスタントに好走できていないのも現状。2番人気以内では【8-3-1-3】と安定感があるものの、3番人気以下では【1-5-12-93】複勝率16.2%、単勝回収率20%、複勝回収率59%と厳しい。人気薄が穴人気している場合などでは消しで勝負したい。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

《関連記事》
・【東京新聞杯】ハイブリッド式消去法で残るのは最大4頭！　ファインルージュは鉄板軸馬か？
・【東京新聞杯】上位人気馬死角アリ、頼りになるのは枠順！？　当日まで覚えておきたいデータ
・【きさらぎ賞】血統マテンロウレオ、前走成績はストロングウィル、セルケト　コースデータからの好走パターン