【根岸S】レモンポップは「先行力」がアダとなる? ハイブリッド式消去法の注目馬は伏兵デンコウリジエール!

八木遊

過去10年の根岸S『前走初角3番手以内』かつ『非サンデーサイレンス系』の成績,ⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週予想した『AJCC』は消去を免れた6頭(エヒト、ユーバーレーベン、ガイアフォース、アリストテレス、レインカルナティオ、シャムロックヒル)の三連複ボックスで勝負したが、1着ノースブリッジを真っ先に消していたため的中とはならず。買い目も20点と多かったため大幅赤字となってしまった。

関東の主場が中山から東京に移る今週末は29日のメイン『根岸S』を予想する。いつも通り過去10年のデータを対象に複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。条件に当てはまった馬を消去する。フルゲート16頭に対し、18頭が登録。除外対象の2頭も含めて消去を進めていきたい。

『前走初角3番手以内』×『非サンデーサイレンス系』★0.0%★

このレースで重視したいのが位置取り。前走時の初角通過順が3番手以内の先行馬は過去10年で【0-1-1-32】(複勝率5.9%)とかなり苦戦していた。このデータだけでも消去対象となるが、ハイブリッド式ではもう一つのデータを掛け合わせる。今回選んだのは血統データ。サンデーサイレンス(SS)系の【0-1-1-11】(同15.4%)に対し、非SS系の馬は【0-0-0-21】(同0.0%)と、1頭も馬券に絡んでいなかった。

登録18頭のうち、この組み合わせに当てはまったのは以下の6頭。除外対象(*)のコパノマーキュリーのほか、今回が初ダートのホウオウアマゾン、そして1番人気が予想されるレモンポップが早速消去となった。東京ダ1400mはレモンポップにとってベストの舞台となるが、前走時に初角を3番手で通過していた先行力がこのレースでは仇となる可能性もあるだろう。

【今年の該当馬】
・アドマイヤルプス
・オーロラテソーロ
・カジノフォンテン
・コパノマーキュリー*
・ホウオウアマゾン
・レモンポップ

『前走距離1400m以下』×『前走4着以下』★2.0%★

続いては前走からの距離変動に注目した。ここでは距離延長組と同距離組、すなわち前走距離が1400m以下だった馬を取り上げたい。過去10年の成績は【4-7-5-98】(複勝率14.0%)と思ったほど悪くない。ただし、前走4着以下の馬は【0-0-1-48】(同2.0%)。馬券に絡んだのは、13年に10番人気で3着に入ったセイクリムズンだけだった。

今年このデータに当てはまったのは、エアアルマス、テイエムサウスダンら6頭。うち2頭はすでに消去済みのため、新たに4頭が消去リスト行きとなった。

【今年の該当馬】
・エアアルマス
・(オーロラテソーロ)
・(コパノマーキュリー*)
・ジャスパープリンス
・テイエムサウスダン
・レディバグ

『前走から中5週以下』×『美浦所属騎手』★4.4%★

3つ目のデータはローテーションに注目した。具体的には前走から中5週以下のやや詰まった間隔で出走してきた馬だ。過去10年の成績は【2-3-3-69】(複勝率10.4%)と苦戦傾向。特に鞍上が美浦所属騎手の場合は【0-1-1-43】(複勝率4.4%)と好走する確率は大きく低下する。3つ目はこのデータを用いたい。

現時点で鞍上は未確定だが、ケンシンコウは田辺裕信騎手、ベルダーイメルは柴田善臣騎手とのコンビが想定されている。新たにこの2頭が消去されることになる。

【今年の該当馬】
・(オーロラテソーロ)
・ケンシンコウ
・ベルダーイメル

『7歳以上』×『前走4角7番手以内』★5.0%★

続いては7歳以上の高齢馬に注目した。過去10年の成績は【1-3-5-66】(複勝率12.0%)で好走もあるにはあるが、そのほとんどが差し・追い込み馬だった。前走時の4角通過順が8番手以下の【1-2-4-24】(同22.6%)に対し、同7番手以内だった馬は【0-1-1-38】(同5.0%)と苦しい戦いを強いられている。

今年は以下の2頭がこのデータに当てはまった。武豊騎手とのコンビで臨むヘリオスは昨年2着に好走したが、年齢を一つ重ねたことで消去対象となった。

【今年の該当馬】
・(カジノフォンテン)
・ヘリオス

『前走で人気より上の着順』×『今回馬番10番枠から外』★4.2%★

4つのデータを終えて、18頭中13頭が消去対象となった。残っている5頭は前走時の人気&着順と今回の枠順を組み合わせたデータでふるいにかけたい。

取り上げたのは前走時に人気を上回る着順に好走していた馬。過去10年の成績は【1-5-3-57】(複勝率13.6%)だったが、根岸Sで好走した馬のほとんどが内枠~中枠に収まっていた。ゲート番号1桁(1~9番)の馬【1-4-3-34】(同19.0%)に対し、2桁(10番~)を引いた馬は【0-1-0-23】(同4.2%)とかなり苦戦している。

最後の絞り込みを図るが、残っている5頭はいずれも前走時の着順が人気を上回っていた。つまり確実に残る馬は皆無。確率的にはほぼあり得ないが、5頭がそろって10番ゲートより外に入った時は馬券の購入を見送りたい。

【今年の該当候補】
・ギルデッドミラー
・セキフウ
・タガノビューティー*
・デンコウリジエール
・バトルクライ

5頭のうちタガノビューティーは除外対象。残る4頭の中ではデンコウリジエールの人気が全くなさそうだが、前走のギャラクシーSではバトルクライに競り勝っている。斤量差も1kg縮まるため、枠次第ではあるが、この馬を買わない手はないだろう。今週も消去を免れた馬の三連複ボックス(1頭の場合は単勝、2頭の場合はワイド)で勝負する。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2022年の全重賞回収率は67.0%。今年は中山金杯からホープフルSまで、消去を免れた馬の三連複ボックスを買い続ける予定。

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