【プロキオンS】サンライズノヴァ、サクセスエナジーを差し置いてPP指数最高値1位の馬は?

山崎エリカ

イメージ画像

ⒸSPAIA

今年もGⅠ馬や勢いのある上がり馬が集う

6月上旬の北海道スプリントCから8月上旬のクラスターC、サマーチャンピオンまで、地方では古馬の短距離交流重賞が行われない。このためプロキオンSは、実績馬が多く出走してくる。

また、上がり馬はここを勝って賞金加算ができれば、中央馬には賞金順の出走頭数制限のある地方交流重賞に出走することも可能。秋の大一番、JBCスプリントも目指せることになるので、ここを目標にしている上がり馬も少なくない。

今年もサンライズノヴァ、ヤマニンアンプリメのGⅠ馬2頭ほか、重賞ウイナーが6頭出走。さらには勢いのある上がり馬も集い、例年同様に、GⅢとしては強豪が集った。しかし、地方、中央と様々なレースを使われている馬たちがぶつかり合う舞台だけに、実力比較が難しいもの。こういうレースほど、より指数が生かせる。

GⅠ馬2頭の評価は?

PP指数の最高値1位は、昨秋のJBCレディスクラシック優勝時のヤマニンアンプリメだ。

2020年プロキオンステークスPP指数



昨秋のJBCレディスクラシック当日は、馬場の内側が重たく、前半3F34秒4とゴールドクイーンがペースを引き上げたことで、外から差したヤマニンアンプリメは馬場&展開がうまくかみ合った感はある。しかし、2着ゴールドクイーンに2馬身差、3着ファッショニスタに8馬身差もつけて圧勝したことは高い評価ができる。

ただし、前走の東京盃ではレース中に鼻出血を発症して8着凡退。競走馬のレース中の鼻出血は、ほぼ癖になることが多い肺出血。鼻でしか息をしない競走馬は、レースはもちろん、強い追い切りもできないため、放牧に出される。

鼻出血により強い追い切りができずにスランプに陥る馬もいるが、しっかりと立て直されていれば勝ち負けになるだろう。今回も芝スタートコースでハイペースが濃厚のメンバー構成だけに、配当次第ではそのリスクを背負っても狙う価値がありそうだ。

最高値2位はサンライズノヴァになる。しかし、同馬は昨年のGⅠ・マイルチャンピオンシップ南部杯を制した時のものではなく、2018年の根岸S・2着時のもの。同レースはサイタスリーレッドが前半3F33秒9のオーバーペースで逃げたことで先行馬が総壊滅し、4コーナー10番手以下が3着以内を独占したレースだ。

サンライズノヴァは末脚型の馬。先行すると指数を下げる傾向がある。しかし、距離1400mで斤量59kgを背負う今回は、必然と後方からのレースになる可能性が高い。

同馬はワイドファラオとアルクトスが競り合って緩みないペ―スとなった今年のフェブラリーSでも3着と好走しているように、ハイペースでこその追い込み馬。脚質的に勝ち負けまではともかく、展開の後押しがあれば上位に加われる可能性が高い。ここは買っておく必要がありそうだ。

伏兵馬の扱いは?

サンライズノヴァと並んで最高値2位タイは、前走のかきつばた記念で逃げて2着ノボバカラに3馬身差、3着馬ドリームドルチェに8馬身差の圧勝を飾ったラプラスだ。同馬は前々走の黒船賞も逃げて圧勝しており、ここでは能力値も1位だ。

5走前の高速ダートの京都1400m(2勝クラス)で1分22秒7の持ち時計もあることから、地方の深いダート向きということもないはず。しかし、今回はテンの速いサクセスエナジーも出走しているとなると、マイペースでは逃げられないだろう。割引が必要だ。

これは天王山S、栗東Sを連勝した、能力値2位のサクセスエナジーにも同じことが言える。同馬も遡れば、京都ダ1400mのすばるSを逃げて前々走の天王山Sと同等の指数を記録した実績があり、前に行ってスピードを生かしてこその馬。2018年のプロキオンSはマテラスカイが出走していたことで、控える形で4着と善戦はしているが、そういうレースだと、どうしても指数を下げてしまうだけに積極的には狙わない。上位人気ならばなおさらだ。

有力な上がり馬は?

上がり馬で有力なのは、前々走のコーラルSでサクセスエナジーを撃破して勝利したレッドルゼルだろう。同馬はここでは能力値3位。前走の天王山Sは高速ダートを出遅れ、挽回するのに脚を使ったために、サヴィの2着に敗れたが、今回が差し馬向きのレースと見るならば逆転の要素は十分にあるだろう。

また、この馬はサンライズノヴァよりも斤量が軽く、同馬よりも前でレースを運べる強みもあるだけに、サンライズノヴァ以上に買いたい馬である。

大穴でオススメなのは、昨年11月の銀嶺S(3勝クラス)でレッドルゼルに勝利したブルベアイリーデ。この馬はその後、さらに地力をつけて休養明けで距離が長いはずの前々走・オアシスSを勝利。前走のさきたま杯は二走ボケを起こして指数を下げたが、休養前の実績からは、高速ダートのダ1400m戦はベスト条件のはず。

また、後半型の競馬を好む岩田望騎手への手替わりも悪くなく、これで超人気薄ならおいしいだろう。

※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)カフジテイクの前走指数「-21」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも2.1秒速い
●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート
●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3
●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数
能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補

<ライタープロフィール>
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる女性予想家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。

おすすめ記事